雑多庵 ~映画バカの逆襲~

管理人イチオシの新作映画を紹介するブログです。SF、ホラー、アクション、コメディ、ゲーム、音楽に関する話が多め。ご意見・ご感想、紹介してほしい映画などあれば「Contact」からメッセージを送ってください。あと、いいお金儲けの話も募集中です。

今回は発掘良品とも言える意外な出会いができる映画!
ハリー・ポッターことダニエル・ラドクリフ主演の『ホーンズ 容疑者と告白の角』です!

Hones



角です。

そうです、ツノですよ奥さん!

ハリポタに角が生えちゃいましたよ!衝撃ビジュアルだよ!

意外と似合っているじゃないか(笑)


それでですね、何故角が生えているかと言いますと、、、よく分かりません(笑)

まぁ、なんとなく理由は示されているのですが、主人公は恋人を殺した容疑で町中から殺人犯扱いされていて、家にはマスコミが連日殺到、恋人を失ったショックも手伝って自暴自棄気味になっているわけです。そこで、何を思ったか、殺人現場の献花台に供えられていたマリア像を破壊するわ、小便をかけるわと神様に怒りをぶつけるわけですね。そうしたら、やっぱりバチが当たったのか、翌朝角が生えていたというわけです。それ以上の理由は見当たらないので、そういうことなんでしょう。

もちろん生えた本人はびっくりするのですが、意外と町の人たちは驚かないのです。

反応薄くね?と思っていたら、様子がおかしいのです。診療所で診てもらおうとしたら、待合室で隣にいた子供連れの女性がいきなり「このうるさいガキを置いて出ていきたい」と言い出すのです。さらには、「そんなことして言いっわけないでしょ!」とやさぐれている割に真面目なツッコミをする主人公をよそに、「いっそ夫も捨ててゴルフ講師とヤりまくろうかしら?黒人のアレは大きいってホントなのよ!」と続けるじゃないですか!「あんた何言ってんだ?!」となっていたら、今度は受け付けのオバチャンが「そのクソガキをつまみだしな!皆うんざりしてるんだよ!」とケンカに発展。わけわからなくなって診療室に入れば、医者が「あの看護師の女の子は娘の友達なんだけど、ホントにいいケツしてるんだよ!ヤりたくて仕方ねぇ!」と言い出す始末。

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実は、この角、見た人に心の奥底で思っていることを言わせてしまう力があるのです

人間誰しも人前ではとても言えないような願望があるものですが、その多くは無意識のものだったり、自我で抑制されているので表面には表れてきません。それを全部言わせてしまうのですから、見ている側にしてみれば人間の大したことなさ、くだらなさがこれでもかと見せつけられるので(言っている人たちは何も躊躇なく真顔で言いだす!)、もはや恐怖や不気味さを通り越して笑えてしまうのです。でも、笑っている自分にだって彼らと変わらない人間なのだと考えるとやっぱり怖いものがありますね。

そうこうするうちに、角の力に気付いた主人公は恋人殺しの真犯人を見つけるべく、手掛かりや承認を探していくミステリーの展開となります。角パワーでどんどんしゃべってくれるので、調査のシーンがサクサク進むのでテンポよく展開されます。

原作者はあの大作家の息子
調査と並行して主人公の少年時代、恋人との出会いが描かれるのですが、なんとなく『スタンド・バイ・ミー』のような田舎青春映画の雰囲気があります。それもそのはず、本作の原作者ジョー・ヒルは『スタンド・バイ・ミー』の原作者にしてモダン・ホラーの代表的な作家であるスティーブン・キングの息子なのです。少し前の時代の文化や田舎の風景を活かした作劇は父親譲りなんでしょうかね。

まさかのデビルマン展開に泣かされる!
ポスターのビジュアルやあらすじ、監督が今のフレンチ・ホラー界をけん引するアレクサンドル・アジャ(『ヒルズ・ハブ・アイズ』『ミラーズ』『ピラニア3D』などアメリカ資本の作品で成功作多数)となると、ホラーなんでしょ?となりますが、実際の印象はミステリーかつブラックなコメディだし、本質的には引き裂かれたカップルのメロドラマだったりします。少年時代や恋人との描写が繊細で、恋愛映画として見ることは十分に可能です。

アジャ監督は衝撃的なバイオレンス描写が得意な人で、あまり恋愛描写のイメージはなかったのですが、人間の心理を利用してショックを与えるホラーの演出がうまければ心理描写もできるってことですね。デートムービーにも勧めたいぐらいには恋愛映画として優れていると思うのですが、そこはアジャ監督、ホラー描写やバイオレンスも気合が入っています(笑)角の力は蛇を操る能力もあるらしく、さながらヴォルデモート卿のごとく蛇を操り、自分をハメた人間に罰を与えていく主人公の描写はなかなかホラー的。とりあえずドラッグは怖いなって思いました。

羊(=悪魔の象徴)の角を生やし、人々の悪意を引きだす力を得て人間の暗部を知り、恋人を殺されたり、自分がはめられた怒りから復讐していく、という展開はどこかで見たなと思ったら、永井豪の漫画「デビルマン」とそのOVA版の「AMON デビルマン黙示録」に少し似ているんですね。デビルマンは人間社会へ侵略してこようとするデーモンと闘うために、正義の心を保ったままデーモンと合体した主人公が、疑心暗鬼にかられるようになった人類による蛮行、恋人の魔女狩りを経験し、人類こそが悪魔であると絶望する展開をします。さらには、本作の悪魔になりきりかけたところで恋人の愛によって救われる展開は、ダンテの「神曲」やゲーテの「ファウスト」のようであり、それらの影響を受けたデビルマンとも近い雰囲気があります。ラストは切なくもハッピーなエンディングで思いがけず感動。角生えルックスからは想像できないとてもえー話です。それにしても、変な話考えたなぁ(笑)


音響演出が全篇を通して良かったのですが、音楽の使い方、選曲が特にGOOD。

デヴィッド・ボウイの「Heroes」は歌詞と作品がリンク具合がいい!

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