雑多庵 ~映画バカの逆襲~

管理人イチオシの新作映画を紹介するブログです。SF、ホラー、アクション、コメディ、ゲーム、音楽に関する話が多め。ご意見・ご感想、紹介してほしい映画などあれば「Contact」からメッセージを送ってください。あと、いいお金儲けの話も募集中です。

今年は例年と比べるとあんまり映画見に行かなかったなぁ・・・

話題作がたくさんあった年ですが、世間とのズレも感じた1年でした。
というわけで、権威も何もありませんが、私のベスト10をいつものように発表いたします。

1.ガールズ&パンツァー最終章 第1話
2.ザ・コンサルタント
3.闇に囁く者(2011年・米、カナザワ映画祭@羽咋 宇宙会談大会にて)
4.レゴバットマン ザ・ムービー
5.エル ELLE
6.ヘドローバ
7.夜明け告げるルーのうた
8.血煙の石川五エ門
9.RE:BORN
10.ウィッチ

いろいろ悩みましたがこんな感じ。

1位は待ちに待ったガルパン最終章の第一話。
冒頭からフルスロットルのアクションで驚き、そのまま流れる最終章OP「Grand Symphony」で始まっちゃったー!と一気に気分高揚。劇場版のその後の大洗女子が再び戦う理由に驚きつつも納得。さらには学園艦の描かれてこなかった部分や新キャラ・新戦車とサプライズの連発。最終章のために再録されたED「Enter Enter Mission!」が流れるころにはすごいものが始まってしまったと思うと同時に早く続きを見せろ!と叫びたくなった。文句なしの続編だ。全6章と発表されているからあと5本も見られる。製作陣にお礼が言いたくなった映画なんて久しぶりです(上映時間1時間以下のOVAシリーズだがこの出来は映画!)。TVシリーズや劇場版では西住みほが自分なりの戦車道を見つけていく物語になっていたが、最終章ではそれぞれの戦車道を描いていくようだ。個人的に黒森峰のエリカがキーパーソンになると思う。

2位は今年のアメリカ映画では一番好みだったアクション映画。
トム・ハーディ主演の男泣きの傑作「ウォーリアー」のギャヴィン・オコナーはまたしても傑作を見せてくれた。軍人の親父に鍛えられた自閉症の会計士というキャラクターとベン・アフレックの無表情演技(大根とは言ってはいけない笑)が絶妙にマッチ。構成も練られていて全体を主人公の謎に迫るミステリーとしているのも面白かった。最後は予想外の感動も提供してくれるいい話。

3位はH・P・ラヴクラフトの同名の小説(創元推理文庫から出版されている全集1巻に収録)を映画化したもの。
ラヴクラフト愛好者が集まって作られたセミプロの集団による映画らしいが、映画としての格を備えた非常に面白い作品だった。ラヴクラフトの作品世界を忠実に映像化し、時代の雰囲気まで感じ取れるような作りにして、ツイストも効いた見事なエンディング。もう一度見たいのだが、ブルーレイは輸入盤でもプレミアム品になっているらしく、なかなか難しい。会場がUFO博物館ことコスモアイル羽咋というのも楽しかった。

4位はバットマン映画としてもヒーロー映画としてもアニメーションものすごくよく出来た作品。
初期のテレビ番組のころのネタからBvSまでネタにし、近年のバットマン映画の重苦しい雰囲気を笑い飛ばす。ヒーローの存在意義は悪役の存在があってこそというヒーロー論をテーマとしつつもばっちり笑える一級のエンタメになっている。吹き替えでロビン役を小島よしおが演じているのだが、言われなければ気づかなそうなぐらいにハマっていた。

5位はバーホーヴェンはどの国で撮っても一貫していて最高な映画。
一貫してたくましい女性を描いてきたバーホーヴェンだが、本作はその集大成とも言えそうな作品。女性の権利を主張する映画は説教ばかりでつまらんが、バーホーヴェンは一切説教せずにかっこいい女性像を提示する。だからいい。

6位は今年「全員死刑」で商業作品デビューを果たした小林勇貴監督の早くも二本目の商業作品。
全編をiPhone7 Plusで撮影したそうだが、撮影のスキルも上がっていたし、小回りの良さを活かした動きのある画作りも上手かった。Vice Plusでの配信が中心となる公開スタイルで、規制なし、モザイクなしの自由な作風は映画業界の新しい流れになりそうだ。自主作品時代からの富士宮の不良の皆さんはやはりイイ顔だし、演技も最高。特に、主演のウメモトジンギの笑顔が印象的。体に絵が描いてある人たちがチンコ振り乱して乱闘する場面やら、ババアが団地の住人をインチキ宗教(何であれ宗教はインチキくさいものだが)で支配する場面、OPとEDのハッピーで不良度の高いバイク描写などパワーのあるシーンの連続だ。

7位は「夜は短し歩けよ乙女」と二か月連続で公開された湯浅政明監督の初オリジナル長編。
全編Flashで動画を作成するのは日本のアニメーションの可能性を感じさせるものだし、Flashにしたからこその動きへの拘り、カメラワークの自由さもプラスに働いていた。やや子供向けに振り切れていない印象はあったが、大人も子供も楽しめる良作。主人公が思いのたけを全力で歌うクライマックスは号泣必死!

8位は小池健監督によるLUPIN THE IIIRDシリーズの新作。
小池監督のデザインによる原作テイストの強い、エロくてエッジの効いた絵が最高にかっこいいのだが、本作はルパン三世の今までの映像作品の中でもトップクラスの出来。最近はすっかりお笑い要員となった五エ門を徹底的にかっこよく描いただけでも偉いが、後半の圧巻の50人切りや首チョンパも含んだバイオレンス描写にはこれぞサムライ映画!と言いたくなる高揚感があった。

9位は今年最強のアクション映画。
肩甲骨を柔軟に動かすことで波を生み出すウェーブの技は世界のアクション映画の最先端を更新するものだ。シャベルや鎌、カランビットナイフなど様々な武器で文字通り瞬殺していくアクションは本当にすごい。動きが速すぎ!銃弾だって避ける!主演のTAK∴さんは本物の戦闘者になってしまった!

10位は17世紀のニューイングランドの荒野を舞台に移住した家族がジリ貧になっていく様子が素晴らしかった。衣装やプロダクションデザインが秀逸で、本当に寒そうだ。魔女の存在をはっきりさせず、ジリ貧になった狂信者っぽい家族の集団妄想のようにも見える描写も怖い。思春期を迎え始めた弟が姉を性的に関心を持っているというのも面白いアクセントになっていた。リアル大草原の小さな家の閉鎖的で逃げ場のない環境は近親相姦、虐待の温床に繋がるとも示唆していて怖い。

ベストテンに入らなかったけど面白かったもの

ローガン
エイリアン コヴェナント
沈黙
散歩する侵略者
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス
パトリオット・デイ
スパイダーマン ホームカミング
クーリンチェ少年殺人事件
新感染
BLAME!
ベイビードライバー
バイオハザード ヴェンデッタ
アトミック・ブロンド
メッセージ
お嬢さん
ネオン・デーモン
バーニング・オーシャン
イップ・マン継承
ジョン・ウィック チャプター2
ハクソー・リッジ
無限の住人
ダゴン(2001年・西、カナザワ映画祭@羽咋 宇宙会談大会にて)

武士道とは死ぬことと見つけたりな「ローガン」は傑作だったし、「エイリアン コヴェナント」のテンションの高さも楽しかったなぁ。「スパイダーマン ホームカミング」は近年のヒーロー映画では最もヒーロー映画らしい良作だった。

今年はスターウォーズ、ブレードランナーといった名作の続編があったり、ヒーロー映画の大量公開、ITのリメイク、ディズニーによる20世紀フォックスの買収、「童貞。をプロデュース」上映の際のフェラ強要騒動、ワインシュタインの強姦問題があったりと映画業界が面白い状況だった。「ブレードランナー2049」は面白かったし、AI彼女の描写は興味深かったが、熱狂するほどではなかった。「スターウォーズ 最後のジェダイ」もまぁまぁ良かったが、興奮はせず、「IT」のリメイクも田舎の不良の怖さは十分だったが今風のホラー映画という印象がぬぐえず、肝心のピエロの怖さは旧作の方が断然上だと思った。どれも世間的には評判が良かったが、個人的にはハマらないものばかりだった。大絶賛されていた「ラ・ラ・ランド」も「はぁ、そうですか」で終わってしまった。世間の評価と同調できないのはひねくれているからか、単に面白くないのか・・・

最近分かったことだが、自分は近年のハリウッド映画のサービス満点映画が好きじゃないようだ。
隙あらばお笑いをねじ込もうとするユーモア偏重のつくり(主にディズニー)には賛同できない。お笑いは気の利いた面白いやつを数回やれば十分である。お客にサービスしすぎても映画は面白くならない。大して面白くもないギャグを連発するのはやめてほしい。あと、ポリコレ丸出しな白痴キャスティングもいい加減にしてくれ。この点、「スパイダーマン ホームカミング」はバランスが取れていてかなり良かった。

来年はロン・ハワード監督による「ハン・ソロ」(レゴ・ムービーの監督コンビはクビになりました笑 スターウォーズエピソード9からもコリン・トレヴォロウ監督がクビになりました)があるのでこれには期待してます!

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