雑多庵 ~映画バカの逆襲~

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何故か宣伝では「ゾンビ」という単語が使われていませんが、タイトルのZはZombie(=ゾンビ)のことなのでそこのところ注意してください!つまり、タイトルは「ゾンビ大戦」を意味します。

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上の画像は映画のポスターなのですが、ヘリにむかってアリ大群のようなものがへばりついているように見えると思います。この大群の正体が本作におけるゾンビでして、ものすごい数のゾンビが集まってこのような事態となっています。もちろん、CGやAIの技術を駆使して大量のゾンビのモブを作り出しているわけですが、迫力がすごすぎて驚くこと必至。これだけの数のゾンビが登場する映画はこれまでなかったのは、第一にゾンビものの映画は低予算で製作されることが多いからです。基本的にマイナーなジャンルだからですが、本作はこれほどまでの大作として製作されたのは、アメリカではゾンビものが流行っているからだそうです。ゾンビだらけの世界で生き残ることをテーマとしたドラマ『ウォーキング・デッド』がヒットし、日本でも近々公開される『ウォーム・ボディーズ』というイケメンゾンビと人間の女の子との恋愛映画が製作されるなど、アメリカでは今ゾンビがアツいのだそうです。2009年の『ゾンビ・ランド』も大ヒットしています。日本ではマニア向けのジャンルという認識があるからか、ゾンビ映画としてではなく、主演のブラッド・ピット押しで宣伝されてしまっています。ちなみに、ブラッド・ピットは本作の製作もしていて、製作会社の「Plan B Entertainment」はブラッド・ピットの会社です。これまでにも『ジャッキー・コーガン』『キック・アス』『ディパーテッド』などを製作しています。

本作は原作ものでして、コメディ映画の巨匠メル・ブルックス(1968年の同名作をセルフリメイクした2005年のミュージカル映画『プロデューサーズ』が最近有名)の息子のマックス・ブルックスが2006年に出版した『World War Z』が直接の原作となっています。「直接」と書いたのはその以前に『The Zombie Survival Guide』というゾンビだらけの世界で生き抜くための指南書を書いていて、それをもとにゾンビ大戦から10年後にさまざまな人々へインタビューしたものをまとめた小説として書かれたのが『World War Z』ということになっています。映画では主人公の元国連のスタッフが事件解決と家族を守るために世界中を奔走する話となっています。方針変更やラストの再撮影があったので製作は難航していましたが、うまく一本の映画としてまとめることに成功していると思います。

再撮影があったのはラストの部分で、血みどろのゾンビの大量虐殺が繰り広げられるはずだったのですが、レイティングをPG-13(13歳以下は保護者同伴が望ましい)に抑えるために変更しています。ゾンビ映画を見慣れている人にとっては驚くべきことに、本作では出血やグロ描写が全くと言っていいほどにありません!なので、ファミリーやデートで見に行けるゾンビ映画となっているのです!(笑)

日本では理解が足りないようなので、ゾンビ映画について補足しておきましょう。
ゾンビ映画の始祖であるジョージ・A・ロメロはゾンビに社会を反映させています。1978年の『ゾンビ』は危機的状況に陥ってもショッピングモールに籠城し、消費に明け暮れる人々とモールを無意味にフラフラとうろつくゾンビを描くことで消費文化を批評しており、2008年の『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』では主観視点フェイクドキュメンタリーの形式をもって暴力的な動画や画像があふれる現代のネット社会を批評しています。ロメロのゾンビの影響から社会を反映させるのがゾンビ映画の伝統となっており、『ワールド・ウォーZ』ではゾンビとなっていく人の多くが政府から真っ先に切り捨てられる移民の人々だったり、ユダヤ人だったり、労働者や前線で戦う兵士だったりするところを考えると、「持たざる者たち」や「迫害される人々」の世界的な多さ・増加を表しているように思えます。こうした視点で観るともっと面白くなると思います。

予告編


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