雑多庵 ~映画バカの逆襲~

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今回紹介するのは60年代から続くSFドラマシリーズ「Star Trek」の最新映画版『Star Trek Into Darkness』です。
一般公開よりも一週間ほど早くみられる先行上映にて鑑賞してきました。北米では5月に封切られてから大ヒットしています。各国でヒットしているようですが、日本ではいかに?


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今回、ストーリーについては中盤まで書いてしまうとテレビシリーズからのファンにとっては重大なネタバレとなる部分があるので、序盤の展開だけを紹介しておきます。

~あらすじ~
前作で惑星連邦の最新鋭艦U.S.S.エンタープライズ号の艦長となったジェームズ・カークとそのクルーたちは未開種族を絶滅の危機から救うも、その際にカーク艦長が規約違反をしたことを副官のスポックは上層部に報告してしまい、カークは艦長の座を降りさせられることになってしまう。その頃、ロンドンでは連邦の施設を狙ったテロ事件が発生。身内であるはずのジョン・ハリソン中佐が一人で計画したものだった。ハリソンの攻撃は上層部にも及び、犠牲者を出すことになってしまう。カークはエンタープライズ号の艦長に復帰し、ハリソンの追跡のために地球を飛び立つが・・・

本作は2009年にキャスト・スタッフ・設定を一新したリブートシリーズの第二弾なので、最低限前作『スター・トレック(2009)』を見ておけば問題ないのですが、これまでのシリーズのファンにも受け入れられるようにテレビ版ファーストシリーズをベースとしているのがポイントです。ファーストシリーズよりも少し前の時点を描いていますが、あくまでパラレルワールドの話であることにも注意してください。北米では「トレッキー」と呼ばれるコアなスタートレックオタクが多くいるほどに有名なシリーズで、「スターウォーズ」と同じくらいの知名度があるのですが、日本ではそれほど有名ではないようなので、今回はスター・トレックシリーズの簡単な解説と主なキャラクター紹介をしておきます。

スター・トレックは長く続くシリーズなのでメンバーを一新したシリーズもいくつもつくられています。映画もこれまで11作製作されています。全シリーズの中で最も人気があるのはやは1966年から1969年まで続いたオリジナルの『宇宙大作戦』でしょう。数々のパロディ(映画では『ギャラクシー・クエスト』が秀逸!)や二次創作ものがつくられていて、そのストーリーの多様性や人間ドラマとしてのレベルの高さから放送から40年以上たった今も人気があります。このシリーズだけで6作も映画がつくられました。

23世紀となってワープ装置による高速航行の手段を手に入れた人類は周辺の惑星間で惑星連邦を結成し、宇宙の平和を維持しているという設定。「これは人類最初の試みとして5年間の調査飛行に飛び立った、宇宙船U.S.S.エンタープライズ号の驚異に満ちた物語である。」というナレーションで始まるスタートレックは人類最後のフロンティア=宇宙を旅するクルーの冒険を描いています。

主な登場人物
・ジェームズ・T・カーク(船長)・・・エンタープライズ号を指揮する主人公。社交的な性格、思い切った作戦立案、各惑星ごとに女をつくれてしまうほどのプレイボーイの側面あり。スポックとは対照的に感情的な判断をしがち。新シリーズでは「向こう見ずな若者」の面が強調された感あり。

・スポック(副長)・・・バルカン星人と人間のハーフ。バルカン星人の特徴たる論理的思考を優先し、感情を排した考え方をするので、人間的感情が欠如していたり、ルールを重視するので融通が利かないのが問題になることも。新シリーズでは感情的になる場面もあり、人間味がより感じられるようになっている。「それは非論理的です」が口癖。

・レナード・マッコイ(船医)・・・カークの親友であり、エンタープライズ号の頼れるアニキ的な存在。やたらと一言多い「マッコイズム」を連発しつつも、やることはやる人物。熱くなってしまう場面が多く、スポックと対立しがち。

・モンゴメリー・スコット(機関士)・・・愛称はスコッティ。エンタープライズの核となるワープ装置を管理するエンジニア。エンタープライズがピンチになった場面でカークがスコッティを鼓舞することで切り抜けるという場面がおなじみ。

・ウフーラ(通信士官)・・・60年代当時としては珍しかった黒人女性のレギュラーメンバー。新シリーズではスポックとのロマンスがあるキャラクターとして重要度が上がった気がする。

・ヒカル・スールー(操舵士)・・・フィリピン人と日本人のハーフのアメリカ人。ワープ装置や武器の操作をしているのはこの人。テレビシリーズの吹き替え版ではなぜかカトー(加藤)とされた。

このように、60年代のテレビドラマとしては珍しいアジア系や黒人、トンガリ耳の異星人など様々な人種の人々がメインキャラクターとして登場しているのが大きな特徴で、差別が根強かった当時(今もありますが)のことや惑星連邦は軍隊ではないことを考えれば「未来は戦争も差別のない世界である」という理想を描いているシリーズともいえるでしょう。当時は公民権運動やベトナム戦争が起こっており、アメリカ国内も混乱を極めていた時代です。最近のハリウッド映画はPolitical Correctness(政治的正しさ)を重視しなければならないという風潮があるので、「白人だけが活躍して女性は添え物でしかない」タイプの映画はほとんど存在しませんが、60年代はそんな発想が固定化してい無かったことを考えればスター・トレックの先進性がわかるかと思います。

監督は『LOST』や『FRINGE』といったテレビシリーズをプロデュースしたり、『SUPER 8』『M.I.Ⅲ』を監督、今作も製作した「BAD ROBOT」を立ち上げるなどハリウッドきってのヒットメーカーとして活躍するJ.J.エイブラムス。「スター・ウォーズ」の新作の監督にも決定しており、「スタートレック」と「スターウォーズ」という二大シリーズを手掛けるということでますます注目されている人物です。彼の臨場感あふれる演出はスピルバーグのそれに近く(残虐描写はあまりないけど)、今後のハリウッドをけん引する存在となると予想されます。

日本ではハリソン役として抜擢されたベネディクト・カンバーバッチ押しで宣伝しているのが何とも言えませんが、BBC製作のドラマ『SHERLOCK』のヒットで日本でも有名となった彼の本作における存在感はかなりのもの。超人的な戦闘力と知能でエンタープライズのクルーを苦しめるハリソンは悪役とはいえ魅力的。

今年の夏は注目のハリウッド大作が連続で公開されますが、本作のスケールと迫力はその中でもかなりのもの。一部はIMAX用のフィルムで撮影されているので、フルスペックで体験するためにもIMAXでご覧になると良いかと思います。第二弾ということで、キャラクターの掘り下げが進んでおり、人間ドラマとしてもアツい展開があります。全体として人間はどこまで自己を犠牲にできるかというテーマで展開します。



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