雑多庵 ~映画バカの逆襲~

管理人イチオシの新作映画を紹介するブログです。SF、ホラー、アクション、コメディ、ゲーム、音楽に関する話が多め。ご意見・ご感想、紹介してほしい映画などあれば「Contact」からメッセージを送ってください。あと、いいお金儲けの話も募集中です。

今回紹介するのはコミック「X-MEN」の人気キャラクター、ウルヴァリンの単独映画第二弾です!
世界中で戦ってきたツメのオッサンがついに日本上陸!

13032601_The_Wolverine_03s.jpg

~知らない人のためのウルヴァリン紹介(映画版準拠)~
19世紀ぐらいにカナダの名家の次男として生まれる。父親が目の前で殺害されたショックでミュータントとしての能力が発現。両手から鋭いツメを出したり、どんな怪我でも治せる治癒能力、40代ぐらい(筆者の推定)から歳をとらなくなるなど、不死身といえる状態に。同じくミュータント能力を持つ兄とともにその後何十年も各地の戦場を転々とする生活を送る。その後、いろいろあって兄と対決したり、骨格にアダマンチウム合金を注入してツメが斬鉄剣になったり、記憶を失って「ローガン」と名乗るようになったりした後にミュータントチーム「X-Men」に参加。さらにいろいろあった後に(笑)、敵対することになってしまった恋人ジーンを自らの手で殺すという悲劇を経験する。ちなみにウルヴァリンはコードネームみたいなもの。以上のことを最低限知っていれば楽しめますが、詳しくは『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』『X-MEN』『X-MEN2』『X-MEN:ファイナルディシジョン』を観てください。

~あらすじ紹介~
「~ファイナルディシジョン」の後、ウルヴァリンはカナダにホームレス同然の状態で潜伏していた。そこに、日本からの使者がやってくる。なんでも、第二次大戦中に長崎の原爆から命を救ってくれたウルヴァリンに死ぬ前に別れを告げたいとのことで、渋りつつも日本へと向かうウルヴァリン。ガンで死ぬ間際の矢志田氏に「死ねる身体」してやろうとの提案を受けるが、その夜に矢志田氏は死んでしまう。葬儀に参列するウルヴァリン。そこに襲い掛かるヤクザの集団。彼らの狙いは矢志田氏の孫娘だった。彼女を守り、逃避行を開始するウルヴァリン。だが、いつもと様子が違う。治癒能力がなくなっていたのだ。初めて死に直面することとなったウルヴァリンは孫娘を守りきることはできるのか!?

ウルヴァリンを演じるのはこれが当たり役になったヒュー・ジャックマン。最近は『レ・ミゼラブル』の大ヒットでますます一般に認知されるようになりました。オーストラリア出身ですが、誰にでも優しく気さくな性格、ハンサム、歌える、家族仲が良好、離婚経験なし、演技上手い、そしてイイカラダ(笑)というアメリカで人気になるポイントを押さえまくったナイスガイです。今作ではウルヴァリンが苦しむ様子や筋肉をたくさん拝めるので女性や筋肉好きな方にはたまらない映画だと思います!

ちなみに原作のウルヴァリンはこんな感じ
Wolverine_org-002.jpg

本作のポイントは多くの部分が日本で撮影されたこと。東京の上野や新宿、渋谷や増上寺、さらには広島の福山市の鞆の浦などと、日本を舞台としていても日本以外で撮影されていることが多いハリウッド映画としては珍しい作品です。もちろん、日本が舞台なのでセリフの日本語率がかなり高いのも特徴。英語字幕が出たりもします。日本人が日本人の役を正しい形で演じられている点でも貴重でしょう。一緒に逃げる孫娘役にモデルのTAOさん、ウルヴァリンとともに戦う女性にこちらもモデルの福島リラさん。二人とも海外で活躍していることもあって英語がお上手。しかも二人とも映画は初出演だそうですが、演技も素人くささをあまり感じませんでした。そして、後半でウルヴァリンと激闘を繰り広げるサムライに日本が世界に誇るアクションスター、真田広之!さすがの殺陣を見せてくれます!

面白いのが、日本の文化に触れたウルヴァリンの様子。おばちゃん二人に風呂場でブラシでこすられて苦しみ、逃亡先がラブホテルとは知らずに入って気まずくなり(アメリカにラブホテルはありません!しかも部屋のテーマの選択肢があるところは日本ぐらいでしょw)、お茶碗に箸をさして怒られたり、新幹線に乗ったらけっこう快適だったりと日本人がみていて笑える部分がかなりあります。そして、ハリウッド映画がまともに扱うことをほとんどしてこなかった原爆の投下についても冒頭の場面できちんと描写していることもポイントといえるでしょう。サムライの国ニッポンの文化に異邦人たるウルヴァリンが触れていく旅としてなかなか楽しいですよ。日本を知ってもらうための映画として間口が広めでいいと思います。

日本の描写がしっかりしていますが、話はマンガなんで『影の軍団』的(むしろショー・コスギ?)な忍者が出てきたり、かっこよすぎなサムライが出てきたり、ステレオタイプなヤクザが出てきます。そこだけはご愛嬌ということで(笑)これまでのシリーズではミュータント同士の戦いがほとんどだったので激闘になるのは当然でしたが、本作は生身の人間が敵のはずなのにウルヴァリンは彼らと互角の戦いをするのが何とも言えませんw 新幹線の上で風圧にも負けずにウルヴァリンに立ち向かうヤクザや、負かす勢いでサシの激闘を繰り広げるサムライなど日本人の強さを実感できる映画となってます!!

最後にシリーズファンへのサプライズがあるので、エンドロールが始まってもすぐには席は立たないように!制作中の『X-Men: Days of Future Past』への布石ということでしょうかね?
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット

トラックバック