雑多庵 ~映画バカの逆襲~

管理人イチオシの新作映画を紹介するブログです。SF、ホラー、アクション、コメディ、ゲーム、音楽に関する話が多め。ご意見・ご感想、紹介してほしい映画などあれば「Contact」からメッセージを送ってください。あと、いいお金儲けの話も募集中です。

330万ドルという低予算(アメリカ映画にしては)にも関わらず、インディ系の各賞をとりまくり、アカデミー賞まで受賞してしまった話題のドラム映画です。

Whiplash_20150418171555661.jpg



主人公はジュリアード音楽院っぽい学校の一年生でジャズドラマーを目指している青年。

この青年、バディ・リッチに憧れており、ビッグバンドのクラスに入っているものの、一年生なので主演奏者の譜面めくり係をやっている。そこに、超強面で怖いオーラ全開の先生がやってきて主人公を自分のバンドにスカウト。このフレッチャー先生のバンドは学内でも最も優秀と言われており、先輩をさしおいて一年生で誘われた主人公は俺にもチャンスが来たぜ!とばかりに浮かれてバンドに参加するも、そこで待っていたのはフレッチャー先生の鬼畜指導だった・・・

という話です。

まぁ、なんともスポ根もののような映画でして、とっても分かりやすくてジャズや音楽に詳しくなくても問題なく楽しめる娯楽映画です。上映時間は100分ぐらいでコンパクトにまとまっているし、編集は上手いし、役者もいい仕事しているし、安さを感じさせない画作りも大変よろしい。この手の映画に必要な「ここで本気出さなきゃ人生終わりだ!」となる主人公を追い詰める状況づくりもいい感じです。お勧めです。

売り言葉に買い言葉って感じでフレッチャー先生のしごきに対抗して暴走する主人公のバディ・リッチ風ドラムソロがクライマックス。この場面は邦題通り先生と主人公の二人の世界に突入した「セッション」が繰り広げられます。本作でドラムをガチで叩いている(終盤はスタントも混じっているかもしれんが)主演のマイルズ・テラーはアメコミ大作映画『ファンタスティック・フォー』のリブート版にも出演するそうな。


バンドの入りに文句をつけてやり直させるバディ・リッチ。当のバディ・リッチはキレッキレ。

とても楽しく観られたのですが、気になったところがあるので満点とまでは言えないかなぁ。

以下はたわごとにすぎません(ブログタイトルにもあるでしょ?)

気になったところその1:意外と先生が鬼じゃなかった
これは先に予告編を見なきゃよかったことなのかもわからないが、思ったよりもフレッチャー先生は鬼畜じゃない。
それこそ『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹的な最後の最後まで地獄のしごきと罵声の連呼に終始するのかと思いきや、フレッチャー先生の場合は友人が死んだことで練習の時に泣き出すわ、唐突に優しい口調になる瞬間があるなど(これはこれでDV夫のようで悪質だが)、とアメとムチ的な指導をするので徹底した鬼ぶりとまではいかなかった。っていうか、ちょっと厳しすぎるし、口が悪いけど、その行動の裏には生徒を一流に育てたいという愛が感じられるのでそれほど悪い人ではないと思う。楽器の上達にはものすごく上手い人の演奏を聴いて打ちのめされたり、ダメだしされる経験も必要だと思うのでフレッチャー先生の指導は間違ってはいない。まぁ、終盤の行為は悪質すぎるが。


ハートマン軍曹の超絶罵声がさく裂するフルメタルジャケットの冒頭。似たような場面が『セッション』にもあるが、ここまで鬼畜ではない。

気になったところその2:主人公は天才ではない
はっきり言って主人公はそんなに才能に恵まれているタイプの人間ではない。それどころか、名門の学校に入学できている割には大してうまくない。そんな彼がたまたま先生に拾われて、先輩をたまたま蹴落とせたものだから自信をつけてしまう。そうなると実力と自身とのバランスとれなくて大変なことになるってわけ。「ドラマーとして名を残すんだ!」といってもテンポのことで注意されまくり、BPM300越えに苦戦、挙句の果てに先生に逆ギレするようでは到底プロになれるとも思えない。ラストの演奏は確かにスゴイとはいえ、その後プロデビューできるかは怪しいものだ。テンポのことで注意されまくる場面は音楽をある程度やっている人じゃないと分からないかもしれないが、とりあえず主人公が天才ぶりを発揮する話ではないと留意しておいてほしい。

批判するような文になってしまったが、主人公が凡才であることは映画にとってマイナスだと言っているわけではない。確かに才能は無いのだが、先輩たちとは違って主人公には必死に食らいついていく根性と自信だけはあった。ダメなやつでも根性さえあれば誰かの心を動かすことができる。主人公の場合はプロにはなれなくともフレッチャー先生の心を動かすことだけは成功した。映画や音楽はそういう個人的なレベルの話でも感動を生み出すことはできる。そういう映画だった。

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