NHKで放送しているTVシリーズを見ていたのと、同じスタジオが作っている「ウォレスとグルミット」シリーズが昔から大好きだったので見てみた。
結果、大正解!!
最近見た映画の中では『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の次に面白かった。
正直なところ、何倍もお金をかけたハリウッドの超大作よりも(ショーンはイギリスの作品)断然アイディアの盛り込み方や、作劇としてのレベルが高いと思う。
「ひつじのショーン」は田舎の小さな牧場で暮らす羊たちや近所の動物たち、牧場主が織りなす様々な騒動や日常の出来事を描いたアニメ・シリーズ。アニメといっても日本で一般的な手書き主体のものではなく、粘土やミニチュアを用いたコマ撮りによるアニメーション。
普段は牧場にシチュエーションが限定されているのだが、今回は都会に進出。
田舎だけの話だった『ベイブ』からの続編『ベイブ 都会へ行く』(マッドマックスのジョージ・ミラーが監督!)の流れとだいたい同じ。ストーリー的にも都会に行って動物たちをいじめる悪いやつがいて、そいつをやっつけて、牧場に帰ってくるという展開もだいたい同じだったりする。
~おはなし~
単調な生活に飽き飽きしている羊のショーンがたまには遊びたい!と仲間たちを扇動し、「羊を数えたら眠くなる」アレを利用して牧場主を眠らせることに成功。牧場主を古いキャンピングカーに閉じ込めておいて楽しいバカンスを過ごすはずだったが、融通の利かない牧羊犬のビッツァーに見つかって断念。キャンピングカーから牧場主を出そうとするのだが、ふとしたはずみで車止めが外れ、車は坂を下って都会まで流れ着いてしまう。子どものころから世話してくれている牧場主なだけに、いなくなったら寂しくなるというもの。そういうわけで、ショーンたちは都会に牧場主を探しに行くのだった。でも、都会には動物ハンターのオヤジがいたり、肝心の牧場主が記憶喪失だったりで・・・!?
広告
シナリオはシンプルだが、様々なシチュエーションを設定し、その中で考えられる面白いアイディアを詰め込んでいくシチュエーション・コメディのスタイルで作られている。お話を進めると言うよりも、こういう場面をやりたいという作り手の強い意志を感じるシーン優先型の作りといえる。映画のパロディから、どうでもいいけど面白い小ネタの応酬、予想を外したギャグ、とやりたい放題に笑えるネタばかりを詰め込んでいるのが、いちいち面白くて笑えた。動物収容所になぜかカメレオンやら金魚がいるのもセンス・オブ・ワンダーってことで良いじゃないか。
ビートルズの「Abby Road」のパロディ
X-Menのウルヴァリンのような看板
本作にはセリフらしいセリフはなく、会話は鳴き声やうめき声のようなもので記号的な音声として表現される。言葉で説明できないようになっているぶん、キャラクターの演技と音楽によって説明していく極めて映画的なスタイル。難しい感じに書いてしまっているが、要は英語が分からなかろうが、字幕が読みながら観るのが苦手だろうが関係なく、どの年代のどの国の人でも楽しめるということ。少なくとも、欧米の文化が流入している国の人ならば問題ないだろう。音楽の表現としては、最初に流れるテーマ曲のメロディを劇伴に混ぜたり、キャラクターを曲調で象徴するなど昔ながらの映画音楽のお手本のような音響演出をやっていた。惜しむらくは歌詞に字幕が付いていないこと。セリフの代わりに歌詞でシーンの説明をする場面がいくつかあるのだ。
本作は「家を出るけど結局帰ってくる」という『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にも共通するシンプルだが、普遍性の高い話。SFでもファンタジーでも故郷に帰る旅の話はたくさんある。「宇宙戦艦ヤマト」、「指輪物語」、「オデュッセイア」・・・etc 帰る家があるのってやっぱりいいよね。
たっぷり笑えて、少しホロリとさせてくれる非常にいい映画です。大人だけで観てもOK。
管理人はかなりグッときた。オススメ!!
↓ランキングに参加しています。クリックで応援よろしく!
にほんブログ村
結果、大正解!!
最近見た映画の中では『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の次に面白かった。
正直なところ、何倍もお金をかけたハリウッドの超大作よりも(ショーンはイギリスの作品)断然アイディアの盛り込み方や、作劇としてのレベルが高いと思う。
「ひつじのショーン」は田舎の小さな牧場で暮らす羊たちや近所の動物たち、牧場主が織りなす様々な騒動や日常の出来事を描いたアニメ・シリーズ。アニメといっても日本で一般的な手書き主体のものではなく、粘土やミニチュアを用いたコマ撮りによるアニメーション。
普段は牧場にシチュエーションが限定されているのだが、今回は都会に進出。
田舎だけの話だった『ベイブ』からの続編『ベイブ 都会へ行く』(マッドマックスのジョージ・ミラーが監督!)の流れとだいたい同じ。ストーリー的にも都会に行って動物たちをいじめる悪いやつがいて、そいつをやっつけて、牧場に帰ってくるという展開もだいたい同じだったりする。
~おはなし~
単調な生活に飽き飽きしている羊のショーンがたまには遊びたい!と仲間たちを扇動し、「羊を数えたら眠くなる」アレを利用して牧場主を眠らせることに成功。牧場主を古いキャンピングカーに閉じ込めておいて楽しいバカンスを過ごすはずだったが、融通の利かない牧羊犬のビッツァーに見つかって断念。キャンピングカーから牧場主を出そうとするのだが、ふとしたはずみで車止めが外れ、車は坂を下って都会まで流れ着いてしまう。子どものころから世話してくれている牧場主なだけに、いなくなったら寂しくなるというもの。そういうわけで、ショーンたちは都会に牧場主を探しに行くのだった。でも、都会には動物ハンターのオヤジがいたり、肝心の牧場主が記憶喪失だったりで・・・!?
広告
シナリオはシンプルだが、様々なシチュエーションを設定し、その中で考えられる面白いアイディアを詰め込んでいくシチュエーション・コメディのスタイルで作られている。お話を進めると言うよりも、こういう場面をやりたいという作り手の強い意志を感じるシーン優先型の作りといえる。映画のパロディから、どうでもいいけど面白い小ネタの応酬、予想を外したギャグ、とやりたい放題に笑えるネタばかりを詰め込んでいるのが、いちいち面白くて笑えた。動物収容所になぜかカメレオンやら金魚がいるのもセンス・オブ・ワンダーってことで良いじゃないか。
ビートルズの「Abby Road」のパロディ
X-Menのウルヴァリンのような看板
本作にはセリフらしいセリフはなく、会話は鳴き声やうめき声のようなもので記号的な音声として表現される。言葉で説明できないようになっているぶん、キャラクターの演技と音楽によって説明していく極めて映画的なスタイル。難しい感じに書いてしまっているが、要は英語が分からなかろうが、字幕が読みながら観るのが苦手だろうが関係なく、どの年代のどの国の人でも楽しめるということ。少なくとも、欧米の文化が流入している国の人ならば問題ないだろう。音楽の表現としては、最初に流れるテーマ曲のメロディを劇伴に混ぜたり、キャラクターを曲調で象徴するなど昔ながらの映画音楽のお手本のような音響演出をやっていた。惜しむらくは歌詞に字幕が付いていないこと。セリフの代わりに歌詞でシーンの説明をする場面がいくつかあるのだ。
本作は「家を出るけど結局帰ってくる」という『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にも共通するシンプルだが、普遍性の高い話。SFでもファンタジーでも故郷に帰る旅の話はたくさんある。「宇宙戦艦ヤマト」、「指輪物語」、「オデュッセイア」・・・etc 帰る家があるのってやっぱりいいよね。
たっぷり笑えて、少しホロリとさせてくれる非常にいい映画です。大人だけで観てもOK。
管理人はかなりグッときた。オススメ!!
↓ランキングに参加しています。クリックで応援よろしく!
にほんブログ村
コメント