更新がしばらく絶えていたが、今回紹介する『ナイトクローラー』はかなりオススメ!
夜中にひとりで見に行くと気分的にもいい感じになれる作品だと思う。俺は朝9時の回で見たけどな!

アメリカ西海岸最大の都市ロサンゼルス
様々な人種が入り混じるこの街では日々悲惨な事件や事故が起きている。
主人公はコソ泥のように暮らし、金目のものを探して夜の街をさまよう男。
盗品を売りつけて帰るある日、事故現場に遭遇。
そこで現場を事故発生直後に撮影してテレビ局に映像を売る仕事を知る。
早速、盗品を売った金でホームビデオ用に使うようなビデオカメラと無線機を手に入れる主人公。
警察無線を傍受し、素人ならではの強引さで事故現場の撮影に成功、テレビ局に売りつける。
オイシイ画を撮れば金になる!と味を占めた主人公の行動は次第にエスカレート。テレビ的にウケる映像をとにかく激写!激写ッ!ついには倫理的に越えてはいけない一線を越えてしまうのだった・・・
主人公はブラック社長
本作の最大の見どころはプロデューサーとしても名を連ねている主演ジェイク・ギレンホールの変態演技。
瞬きをほとんどせずに終始早口で説得力があるようでないような俺流理論を一方的に喋りまくり、表情を大して変えないが、時々ニヤリと笑う様子がなんとも気持ち悪くて最高である。『プリズナーズ』、『ミッション:8ミニッツ』、『エンド・オブ・ウォッチ』など良作に多く出演している「信用できる俳優」の一人なんだが、本作では普段より10キロ以上減量したらしく、持ち前の大きな目がいつも以上にギョロッとしていて異常な雰囲気がルックスだけで伝わってくる。本作の後に出演しているボクシング映画『Southpaw』では、逆に筋肉量を増やしまくってリアルカブトムシのお腹状態にするという役者バカっぷりを発揮している!

『Southpaw』よりバッキバキに鍛えたジェイク!
そして、この主人公なのだが、言っていることがブラック企業の社長のようだ。
インド系の若者をアシスタントに雇うも、相手が金に困っているホームレスだからと弱みに付け込み、圧迫面接に近いことをやっておいてインターン扱いにしてまともに賃金を払わないというゲスさを発揮。やたらと説教をしたがり、ネットとテレビで得た情報で武装したインテリ風発言で相手の弱みを攻撃する。さらには社長となることに拘り、ニュースでも社名を言わせたがるなど、ハッタリを利かせまくったヤンキー理論で押し通す!ブラック企業の社長ってこんな人ばかりなんじゃないかと思ってしまった。
エドワード・ホッパーの絵のような微妙に距離感のある画作りと色彩表現が主人公の孤独感や冷徹な雰囲気を出すことに貢献している

エドワード・ホッパー「ナイトホークス」(1942年)
メディアの業
主人公は初めからサイコパスっぽい人間ではあるが、テレビ局が視聴率のために過激な映像を求めたことで拍車をかけてしまったのは確か。
本作は視聴率至上主義や過激なものを求める視聴者の問題を描いたものと見るのが普通だろう。世の中には撮っていいものと悪いもの、「表現の自由」が越えてはならない一線ものがあると。だが、映像制作に少しでも関わったことがある人間、クリエイター志望の人間ならば、誰も見たことがないようなスゴイ映像、自分だけが撮れるものを世界に見せつけたいと思った経験があるはずだ。それが倫理的に問題があろうと、法律違反であろうと、撮りたいと思ってしまう人は必ずいるし、映画を作っている人や報道カメラマンで決定的な瞬間、それこそ人が死ぬ瞬間や爆発の瞬間などをカメラでとらえたいと思わない人間はそもそも向いていないと思う。
この間の天津での爆発事故の様子。こういうものを見たい人、撮りたい人はたくさんいる。再生回数と上がっている動画の数がその証拠だ。これぐらい景気よく爆発してくれると目撃者は楽しくなっただろうな。もちろん、現場では多くの死傷者がいるのだが、そういう想像力よりも目の前の強烈な光景を優先してしまうのが人間ってもんです。
『ナイトクローラー』はこういったネットやテレビ、映画といった映像メディアが伝える情報の無責任さというか、ダークな側面や業のようなものを説教くさく煽らずに冷徹に描き切っただけでなく、都市に潜むサイコパス的人物の恐怖まで描いた傑作だ。監督のダン・ギルロイは、『ボーン・レガシー』の脚本を書いていた人らしい。あちらははっきり言って微妙な映画だったんだが、初監督の本作は大成功だと思う。まぁ、ハリウッドの大作は脚本が勝手に書きかえられることはよくあるみたいだし、監督に編集権がなかったり、製作サイドに文句を言われたりで色々あるらしいからなぁ
おまけ
『Night Crawler』ということで今夜はこの二曲でお別れです。サヨナラ、サヨナラ・・・
Judas Priest「Night Crawler」
Larry Carlton「Night Crawler」
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夜中にひとりで見に行くと気分的にもいい感じになれる作品だと思う。俺は朝9時の回で見たけどな!

アメリカ西海岸最大の都市ロサンゼルス
様々な人種が入り混じるこの街では日々悲惨な事件や事故が起きている。
主人公はコソ泥のように暮らし、金目のものを探して夜の街をさまよう男。
盗品を売りつけて帰るある日、事故現場に遭遇。
そこで現場を事故発生直後に撮影してテレビ局に映像を売る仕事を知る。
早速、盗品を売った金でホームビデオ用に使うようなビデオカメラと無線機を手に入れる主人公。
警察無線を傍受し、素人ならではの強引さで事故現場の撮影に成功、テレビ局に売りつける。
オイシイ画を撮れば金になる!と味を占めた主人公の行動は次第にエスカレート。テレビ的にウケる映像をとにかく激写!激写ッ!ついには倫理的に越えてはいけない一線を越えてしまうのだった・・・
主人公はブラック社長
本作の最大の見どころはプロデューサーとしても名を連ねている主演ジェイク・ギレンホールの変態演技。
瞬きをほとんどせずに終始早口で説得力があるようでないような俺流理論を一方的に喋りまくり、表情を大して変えないが、時々ニヤリと笑う様子がなんとも気持ち悪くて最高である。『プリズナーズ』、『ミッション:8ミニッツ』、『エンド・オブ・ウォッチ』など良作に多く出演している「信用できる俳優」の一人なんだが、本作では普段より10キロ以上減量したらしく、持ち前の大きな目がいつも以上にギョロッとしていて異常な雰囲気がルックスだけで伝わってくる。本作の後に出演しているボクシング映画『Southpaw』では、逆に筋肉量を増やしまくってリアルカブトムシのお腹状態にするという役者バカっぷりを発揮している!

『Southpaw』よりバッキバキに鍛えたジェイク!
そして、この主人公なのだが、言っていることがブラック企業の社長のようだ。
インド系の若者をアシスタントに雇うも、相手が金に困っているホームレスだからと弱みに付け込み、圧迫面接に近いことをやっておいてインターン扱いにしてまともに賃金を払わないというゲスさを発揮。やたらと説教をしたがり、ネットとテレビで得た情報で武装したインテリ風発言で相手の弱みを攻撃する。さらには社長となることに拘り、ニュースでも社名を言わせたがるなど、ハッタリを利かせまくったヤンキー理論で押し通す!ブラック企業の社長ってこんな人ばかりなんじゃないかと思ってしまった。
エドワード・ホッパーの絵のような微妙に距離感のある画作りと色彩表現が主人公の孤独感や冷徹な雰囲気を出すことに貢献している

エドワード・ホッパー「ナイトホークス」(1942年)
メディアの業
主人公は初めからサイコパスっぽい人間ではあるが、テレビ局が視聴率のために過激な映像を求めたことで拍車をかけてしまったのは確か。
本作は視聴率至上主義や過激なものを求める視聴者の問題を描いたものと見るのが普通だろう。世の中には撮っていいものと悪いもの、「表現の自由」が越えてはならない一線ものがあると。だが、映像制作に少しでも関わったことがある人間、クリエイター志望の人間ならば、誰も見たことがないようなスゴイ映像、自分だけが撮れるものを世界に見せつけたいと思った経験があるはずだ。それが倫理的に問題があろうと、法律違反であろうと、撮りたいと思ってしまう人は必ずいるし、映画を作っている人や報道カメラマンで決定的な瞬間、それこそ人が死ぬ瞬間や爆発の瞬間などをカメラでとらえたいと思わない人間はそもそも向いていないと思う。
この間の天津での爆発事故の様子。こういうものを見たい人、撮りたい人はたくさんいる。再生回数と上がっている動画の数がその証拠だ。これぐらい景気よく爆発してくれると目撃者は楽しくなっただろうな。もちろん、現場では多くの死傷者がいるのだが、そういう想像力よりも目の前の強烈な光景を優先してしまうのが人間ってもんです。
『ナイトクローラー』はこういったネットやテレビ、映画といった映像メディアが伝える情報の無責任さというか、ダークな側面や業のようなものを説教くさく煽らずに冷徹に描き切っただけでなく、都市に潜むサイコパス的人物の恐怖まで描いた傑作だ。監督のダン・ギルロイは、『ボーン・レガシー』の脚本を書いていた人らしい。あちらははっきり言って微妙な映画だったんだが、初監督の本作は大成功だと思う。まぁ、ハリウッドの大作は脚本が勝手に書きかえられることはよくあるみたいだし、監督に編集権がなかったり、製作サイドに文句を言われたりで色々あるらしいからなぁ
おまけ
『Night Crawler』ということで今夜はこの二曲でお別れです。サヨナラ、サヨナラ・・・
Judas Priest「Night Crawler」
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