雑多庵 ~映画バカの逆襲~

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かわいいクマちゃんルックとエロオヤジのハイブリッドがウケて、アメリカン・コメディ不毛の地である日本でもヒットした『テッド』。今回紹介するのはその続編!今度のテッドは何すんの!?

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あらすじ

友だちのいない少年ジョンが神様に願ったもの。それは「友達のテディベアとお話しできたらなぁ」というものだった。少年の純粋な願いは叶えられた。しゃべるぬいぐるみのテディベアこと、テッドは少年とともに成長し、オヤジになった。

前作でジョンは結婚し、幸せな結婚生活を送っている・・・はずだったが、早々に離婚。一方のテッドは以前から付き合っていた同僚のタミーと結婚し、幸福な日々を過ごす・・・かと思えば、結婚一年で離婚寸前の状態。夫婦円満のためには子どもだ!となるものの、チ〇ポのないテッドに生殖能力は皆無。そんなわけで、精子ドナー探しに励むテッドだったが、そもそもヤク中で身体がボロボロのタミーの卵巣もボロボロ。じゃあ、養子だ!となるわけだが、テッドは「人間」ではなく、養父となる権利はないとされてしまうのだった。こうなったら裁判だ!かくして、前代未聞のぬいぐるみの人権をめぐった裁判が開廷するのであった!

溢れる下品ギャグは笑うしかない!?

前作は連発される下品な笑いが話題になりましたが、本作でもその傾向は変わらず。というより、もっとえげつない下ネタが増えてます!具体的にはチ〇ポネタと大麻関連のギャグなんですけどね。

チン〇関連のギャグは世界共通の鉄板ネタですが、本作では前作よりも露骨になっているので、デートで見に行こうと思っているならば相手を考えたほうがいいかもわかりません!まぁ、男同士・女同士ならば問題なく笑ってしまえそうではありますが、とりあえず注意しておきます。だから後で「騙された!」とか言わないように!まさかBUKKAKEネタまであるとは思わなかったぜ・・・

大麻関連のギャグについてですが、大麻はアメリカでは合法ということで一致しつつあるので、かなりオープンに扱われています。この辺は日本人にとっては不思議に見えるかもしれませんが、アメリカでは大麻はタバコよりも人体に害がなく、医療用にも使われるほど身近な麻薬。まぁ、大麻吸った影響で暴れたって話は聞きませんし、成分不明の脱法ハーブよりもマシって認識みたいです。

小ネタが多すぎて・・・

細かすぎて伝わらないようなネタが大量にぶち込まれていることも本作の特徴です。

テッドが奥さんと「メシはまだか!」とキレるシーンはマーティン・スコセッシ監督の名作『レイジング・ブル』のパロディになっています↓


これはまだ分かりやすい例で、今回のヒロイン役のアマンダ・セイフライドを『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムに例える出演者いじりギャグ、日本人にはなじみの薄いアメリカの芸能人のネタ、アメリカのバラエティ番組ネタ、スターウォーズネタ・・・etc という感じでアメリカ映画をよく観ている人やアメリカの芸能情報に詳しい人じゃないと元ネタを把握することは難しくなっています。それなりに詳しいつもりの筆者でも全てのネタを拾うことは不可能。アメリカ人にも伝わらないギャグも多いらしいので、日本人が分からないのは仕方ない!別にパロディはネタが分からなくても面白い時は面白いんです!吹き替えではニュアンスが伝わりにくいギャグも多いので、雰囲気だけでも聞き取る努力をしつつ字幕版でみることを推奨します。

左:アマンダ・セイフライド、右:ゴラム どちらも目が大きくて、ブルーの瞳でって・・・ひでぇギャグ笑
Amanda-Seyfried10_111202Goram

コメディ作家(?)セス・マクファーレン

そういうわけで、細かすぎるギャグの応酬となっている本作ですが、ギャグの全てが面白いわけではないのが困りもの。ギャグなんだとはわかってもイマイチ笑えないものも多いです。これは前作にもあった問題なのですが、本作のギャグは外れの率が高くなっている印象がありました。かなりオタク度の高いネタを連発していますが、それと同時にオタクをディスるギャグや、人をバカにしたようなギャグも混ぜてくるので、見ている人を敵に回しているというか、共感を阻害しているような気がしてなりません。このあたりがコメディ作家としてのセス・マクファーレン監督(テッド役も兼任)のセンスのなさ。ギャグの切れ味の鋭さならば、ジャド・アパトー監督(『40歳の童貞男』『無ケーカクの命中男』などボンクラ野郎必見映画が多数)のほうが断然上!

マクファーレン監督のセンスが最も発揮されていると思ったのは、タイトルシーンでの往年のハリウッドミュージカル風ダンスシーン。実は監督はミュージシャンとしての面もある人で、自分で歌ったアルバムを発表しています。フランク・シナトラが好きなんだそうで、アルバムはビッグバンドジャズのアレンジになっているところがジャズの演奏もやる筆者的に面白いところ。ビッグバンドと言われてもイメージできない方は東京ディズニーシーの「ビッグバンドビート」で聴けるようなものだと思っていただくと良いかと。テッドが踊るダンスも「ビッグバンドビート」でミッキーが踊るものとイメージ的には近いと思います。



↓マクファーレン監督のアルバム。ノラ・ジョーンズとのデュエットもあるよ。


タイトルシーン以外でも音楽での演出が上手い場面がいくつかあり、こちらは外れが全然ないので(ドラマの「LAW AND ORDER」のテーマ曲に勝手に歌詞をつけるギャグは面白かったなぁ)、この人は音楽映画やミュージカル映画の方が向いているんじゃないか!?と思ってしまいます。

音楽ネタとしてはこちらの映像を見ておくといい場面もあります。どういう場面かはお楽しみってことで


とにかく、テッドが踊りまくるシーンは映画的に最高に盛り上がる場面ですので、上映時間に遅れて劇場に入るようなことがないように!

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