巨人による殺戮描写で筆者の心をあったかくしてくれた『進撃の巨人』実写版。
いろいろ違うとは言われつつも、大筋では原作と大差のなかった前編でしたが、今回はその後編。
普段はネタバレなしの紹介をしている本ブログですが、今回は自分の意見を積極的に書かせていただきます!ネタバレは極力避けますが、ちょっとしていたらすまん!!
一映画ファンとして書きます
前編については過去記事でかなり肯定的に書きました。
序盤の巨人たちによる大殺戮に最近の日本映画にない、殺る気を感じたのです。終盤のウルトラマン的な巨人同士のバトルも非常に熱いものがありました。最初と最後が熱い展開であり、90分ぐらいの上映時間にタイトにまとまっていたのも好感が持てました。
でも、その前編だってすべてが良かったわけではなかった。正直、ダメなところがたくさんあった。
それでも、特撮部分のパワーで娯楽映画として楽しめるものにはなっていたと思いましたし、当ブログはこれから見る人に向けての紹介を基本としている以上、余計な先入観を持ってほしくないと思ったのです。
そういうわけで、前編については公開後にネットで騒がれたほどはダメだと思っていません。むしろ最近の日本映画の傾向を考えるに、いい方だとさえ思いました。この調子で後編も頑張ってくれるのかな?と期待をしていたのです。
ですが、この期待は裏切られました。
後編は数多ある「ダメな日本映画」の一つです。迷うくらいなら見る必要はありません。よほどの『進撃の巨人』好き、出演者のファン、特撮のハードコアなファン以外の方は、お金と時間を別の映画に使ってほしいと思います。世の中にはTVCMがやっていない映画、シネコンで観られない映画もたくさんあります。日本は世界的にも様々な映画が観られる国です。この環境を活かして、ぜひ映画館に足を伸ばしてみてください。東京には名画座だってまだあります。映画である必要もありません。ゲームやアニメ、漫画で面白いものは国産のものでもたくさんあります。本を読むのもいいでしょう。家族や友人、恋人と過ごすのも非常に有意義なことだと思います。これは一人の映画好きとしてのお願いです。露骨な商業主義や、スポンサーに気を使ってばかりの観客を本位にしない映画会社の態度を改めさせるためにも、皆さんにはダメなものはダメと言い切ることをしてほしいと思うのです。
念のために書いておきますが、以下は作品に対する個人の感想であって、監督や出演者を貶めるためのバッシングなどではありません。これを書くにあたって映画会社からお金をもらったわけでもないし、試写等ではなく、自費で劇場に見に行っています。偉そうなことも書いていますが、管理人はただの学生にすぎません。
日本映画のダメなところがぁぁァァァァ・・・
これは進撃の巨人に限った話ではありませんが、俳優に気を使いすぎじゃないですか?
まぁ、芸能事務所との関係が色々あって・・・というのが理由なんでしょうが、それにしても進撃の巨人は役者を見せることに拘り過ぎだよ!見せるためなのか妙な間が会話のシーンにも、戦闘シーンにもあるんですよ。これが映画の流れを阻害してしまっています。ていうか、ダサい!!シキシマのリンゴのシーンやら、Apple TVなシーンなんて、かなりキツかったよ!リンゴのシーンですが、エデンの園から出ることを誘惑する蛇にシキシマを例えているって意味なんですが、狙いすぎ!これは後編にもつながる『失楽園』(ミルトンの叙事詩)的展開への布石になっていますが見せ方が分かりやすすぎるって。これはむしろマイナスイメージになっちゃうんじゃないかと心配になっちゃったよ!ファンの方々はこれでOKなんすか?
ジョン・ミルトンの『失楽園』が重要な元ネタ
ドラマの演出がぁぁぁぁぁぁ・・・
本作の何が問題って、ドラマの演出がアレなところなんですけど、これは監督の問題じゃないかと思います。樋口真嗣監督って怪獣やメカの動きを演出させたら天才なんですけど、役者に演技を付けられないんですよ・・・
演技を付けられないからといって映画監督は務まらないということはありません。大巨匠のスタンリー・キューブリックは演技について何も分からないから、とりあえずテイクを何回も重ねていたそうです。マーティン・スコセッシだって役に入っているように見えればOKというユルさ。要は演技に対して良いか悪いかの判断さえできればいいのです。樋口監督はこの判断があまりできていないのか、役者に気を使いすぎてNOが言えないのか、とにかく良い演技を引き出せていません。それは『ローレライ』で言えましたし、『日本沈没』でも変わりません。特に主演の三浦春馬はやたらギャーギャー叫んでばかりでうっとおしい!感情表現に叫びを入れるのは効果的だと思いますが、終始それじゃダメ。人間はそんなに簡単に叫ばないですよ。アニメやマンガならば絵に足りない情報量を補う意味でも叫ばせることは重要になるんですけど、実写映画だと過剰になってしまうことがほとんどです。
樋口監督は来年の東宝新作ゴジラ『シン・ゴジラ』の監督・特技監督に決まっています。進撃の巨人のドラマパートの出来を見る限り、今から不安が・・・。でも総監督・脚本には庵野秀明監督がいるので何とかなるのかなと期待しています。樋口監督と庵野監督はこれまで何度も組んでいるので連携が取れないということはないでしょうし、二人とも巨大なものの演出に関しては超一流なのでゴジラが出てくるシーンは期待しておいて問題ないはず!ただ、キャストが進撃の巨人と被るのはいかがなものかなとも思いますが!
殺る気がたりねぇよォォォォォォォ・・・
あと、前後編の構成の映画として本作を観た際、問題なのは後編には前編ほどビジュアル的にパワーがあるシーンが極端に少ない点です。前編は巨人たちに喰い殺されていく圧倒的絶望状態が見ものだったのですが、後編ではそもそも巨人があまり出てこない!後編の前半はテーマ的なことや、巨人は何者なのかっていう話がどんどん説明されていくのですが、肝心の巨人がなかなか出てこないし、そのドラマパートもアレな出来なのではっきり言って退屈です。巨人の説明だって『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!史上最恐の劇場版』を思い出す感じで、意外でもなんでもなかったよ!
後半ではさらに「予想外の展開」らしきものになっていくのですが、展開が急すぎるというか、上映時間が短いこともあって納得のいく話の運びになっていない気がしました。とにかく、「はぁ、そうですか」としかならなかったのです。僕の予想を超えた話でもなかったというのもありますが。話はどうでもいいとして、巨人成分が足りず、盛り上がりに欠けてしまったところが一番ダメなところです。もっと巨人を!もっと殺る気を!!この辺、実写版『るろうに剣心』は前編のアクションを後編の序盤から越えてくるエスカレーションぶりが素晴らしかった!そういえば、るろ剣はワーナーブラザーズ製作・・・この違いなのか!?
ここはいいんじゃない?
色々と文句ばかり書きましたが、良いところだってあります。
一つには特撮部分のウルトラマン感、『サンダ対ガイラ』感あふれる巨人同士のバトル。巨人に関してはCGにしてしまわずに着ぐるみで表現しているところが個人的にポイント高し!やっぱり重量感が違うんだよね。
サンダ対ガイラ風進撃の巨人予告編
あと、キャストに関してですが、ミカサ役の水原希子さんは良かった!
他の出演者の方々はコスプレ感があるというか、この世界の住人ではないなぁ、演技してるなぁ、としか思えない人ばかりなのですが(ファンには失礼!)、この人はいい感じに映画内世界の住人になっています。韓国系アメリカ人という出自による浮世離れした顔立ちがそうさせるのか、出演者の中で最も演技の方向性が正しく、ヴィジュアル的にもいいです。
ネットで見かけるようなヒステリックな拒否反応こそありませんでしたが、良くないところがたくさんあったのは事実だし、場合によっては続編を作ってやろうというような魂胆が見え隠れするラストも気に入りません。でも、めったに見られなくなった着ぐるみ特撮バトルと、水原さんのハマりぶりを見られただけでも見る価値はあったのかもと思います。ここまで読んで、そうまでいうなら観てやろうじゃねぇか!と思った猛者の方。ぜひ見てください。そして、感想を聞かせてほしいと思います。
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いろいろ違うとは言われつつも、大筋では原作と大差のなかった前編でしたが、今回はその後編。
普段はネタバレなしの紹介をしている本ブログですが、今回は自分の意見を積極的に書かせていただきます!ネタバレは極力避けますが、ちょっとしていたらすまん!!
一映画ファンとして書きます
前編については過去記事でかなり肯定的に書きました。
序盤の巨人たちによる大殺戮に最近の日本映画にない、殺る気を感じたのです。終盤のウルトラマン的な巨人同士のバトルも非常に熱いものがありました。最初と最後が熱い展開であり、90分ぐらいの上映時間にタイトにまとまっていたのも好感が持てました。
でも、その前編だってすべてが良かったわけではなかった。正直、ダメなところがたくさんあった。
それでも、特撮部分のパワーで娯楽映画として楽しめるものにはなっていたと思いましたし、当ブログはこれから見る人に向けての紹介を基本としている以上、余計な先入観を持ってほしくないと思ったのです。
そういうわけで、前編については公開後にネットで騒がれたほどはダメだと思っていません。むしろ最近の日本映画の傾向を考えるに、いい方だとさえ思いました。この調子で後編も頑張ってくれるのかな?と期待をしていたのです。
ですが、この期待は裏切られました。
後編は数多ある「ダメな日本映画」の一つです。迷うくらいなら見る必要はありません。よほどの『進撃の巨人』好き、出演者のファン、特撮のハードコアなファン以外の方は、お金と時間を別の映画に使ってほしいと思います。世の中にはTVCMがやっていない映画、シネコンで観られない映画もたくさんあります。日本は世界的にも様々な映画が観られる国です。この環境を活かして、ぜひ映画館に足を伸ばしてみてください。東京には名画座だってまだあります。映画である必要もありません。ゲームやアニメ、漫画で面白いものは国産のものでもたくさんあります。本を読むのもいいでしょう。家族や友人、恋人と過ごすのも非常に有意義なことだと思います。これは一人の映画好きとしてのお願いです。露骨な商業主義や、スポンサーに気を使ってばかりの観客を本位にしない映画会社の態度を改めさせるためにも、皆さんにはダメなものはダメと言い切ることをしてほしいと思うのです。
念のために書いておきますが、以下は作品に対する個人の感想であって、監督や出演者を貶めるためのバッシングなどではありません。これを書くにあたって映画会社からお金をもらったわけでもないし、試写等ではなく、自費で劇場に見に行っています。偉そうなことも書いていますが、管理人はただの学生にすぎません。
日本映画のダメなところがぁぁァァァァ・・・
これは進撃の巨人に限った話ではありませんが、俳優に気を使いすぎじゃないですか?
まぁ、芸能事務所との関係が色々あって・・・というのが理由なんでしょうが、それにしても進撃の巨人は役者を見せることに拘り過ぎだよ!見せるためなのか妙な間が会話のシーンにも、戦闘シーンにもあるんですよ。これが映画の流れを阻害してしまっています。ていうか、ダサい!!シキシマのリンゴのシーンやら、Apple TVなシーンなんて、かなりキツかったよ!リンゴのシーンですが、エデンの園から出ることを誘惑する蛇にシキシマを例えているって意味なんですが、狙いすぎ!これは後編にもつながる『失楽園』(ミルトンの叙事詩)的展開への布石になっていますが見せ方が分かりやすすぎるって。これはむしろマイナスイメージになっちゃうんじゃないかと心配になっちゃったよ!ファンの方々はこれでOKなんすか?
ジョン・ミルトンの『失楽園』が重要な元ネタ
ドラマの演出がぁぁぁぁぁぁ・・・
本作の何が問題って、ドラマの演出がアレなところなんですけど、これは監督の問題じゃないかと思います。樋口真嗣監督って怪獣やメカの動きを演出させたら天才なんですけど、役者に演技を付けられないんですよ・・・
演技を付けられないからといって映画監督は務まらないということはありません。大巨匠のスタンリー・キューブリックは演技について何も分からないから、とりあえずテイクを何回も重ねていたそうです。マーティン・スコセッシだって役に入っているように見えればOKというユルさ。要は演技に対して良いか悪いかの判断さえできればいいのです。樋口監督はこの判断があまりできていないのか、役者に気を使いすぎてNOが言えないのか、とにかく良い演技を引き出せていません。それは『ローレライ』で言えましたし、『日本沈没』でも変わりません。特に主演の三浦春馬はやたらギャーギャー叫んでばかりでうっとおしい!感情表現に叫びを入れるのは効果的だと思いますが、終始それじゃダメ。人間はそんなに簡単に叫ばないですよ。アニメやマンガならば絵に足りない情報量を補う意味でも叫ばせることは重要になるんですけど、実写映画だと過剰になってしまうことがほとんどです。
樋口監督は来年の東宝新作ゴジラ『シン・ゴジラ』の監督・特技監督に決まっています。進撃の巨人のドラマパートの出来を見る限り、今から不安が・・・。でも総監督・脚本には庵野秀明監督がいるので何とかなるのかなと期待しています。樋口監督と庵野監督はこれまで何度も組んでいるので連携が取れないということはないでしょうし、二人とも巨大なものの演出に関しては超一流なのでゴジラが出てくるシーンは期待しておいて問題ないはず!ただ、キャストが進撃の巨人と被るのはいかがなものかなとも思いますが!
殺る気がたりねぇよォォォォォォォ・・・
あと、前後編の構成の映画として本作を観た際、問題なのは後編には前編ほどビジュアル的にパワーがあるシーンが極端に少ない点です。前編は巨人たちに喰い殺されていく圧倒的絶望状態が見ものだったのですが、後編ではそもそも巨人があまり出てこない!後編の前半はテーマ的なことや、巨人は何者なのかっていう話がどんどん説明されていくのですが、肝心の巨人がなかなか出てこないし、そのドラマパートもアレな出来なのではっきり言って退屈です。巨人の説明だって『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!史上最恐の劇場版』を思い出す感じで、意外でもなんでもなかったよ!
後半ではさらに「予想外の展開」らしきものになっていくのですが、展開が急すぎるというか、上映時間が短いこともあって納得のいく話の運びになっていない気がしました。とにかく、「はぁ、そうですか」としかならなかったのです。僕の予想を超えた話でもなかったというのもありますが。話はどうでもいいとして、巨人成分が足りず、盛り上がりに欠けてしまったところが一番ダメなところです。もっと巨人を!もっと殺る気を!!この辺、実写版『るろうに剣心』は前編のアクションを後編の序盤から越えてくるエスカレーションぶりが素晴らしかった!そういえば、るろ剣はワーナーブラザーズ製作・・・この違いなのか!?
ここはいいんじゃない?
色々と文句ばかり書きましたが、良いところだってあります。
一つには特撮部分のウルトラマン感、『サンダ対ガイラ』感あふれる巨人同士のバトル。巨人に関してはCGにしてしまわずに着ぐるみで表現しているところが個人的にポイント高し!やっぱり重量感が違うんだよね。
サンダ対ガイラ風進撃の巨人予告編
あと、キャストに関してですが、ミカサ役の水原希子さんは良かった!
他の出演者の方々はコスプレ感があるというか、この世界の住人ではないなぁ、演技してるなぁ、としか思えない人ばかりなのですが(ファンには失礼!)、この人はいい感じに映画内世界の住人になっています。韓国系アメリカ人という出自による浮世離れした顔立ちがそうさせるのか、出演者の中で最も演技の方向性が正しく、ヴィジュアル的にもいいです。
ネットで見かけるようなヒステリックな拒否反応こそありませんでしたが、良くないところがたくさんあったのは事実だし、場合によっては続編を作ってやろうというような魂胆が見え隠れするラストも気に入りません。でも、めったに見られなくなった着ぐるみ特撮バトルと、水原さんのハマりぶりを見られただけでも見る価値はあったのかもと思います。ここまで読んで、そうまでいうなら観てやろうじゃねぇか!と思った猛者の方。ぜひ見てください。そして、感想を聞かせてほしいと思います。
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