カナザワ映画祭2015で観ていたもの、タイミングを逃してなかなか記事にしていなかったが、東京や京都などでの公開が決まったそうなので書いておく。
自主映画ならではの初期衝動的エネルギーが良い方に機能した強烈な不良映画だ。
エネルギーのある作品を求めている人にはぜひ見てほしい。
数か月前に一度見ただけなので記憶違いの場合があることに注意して読んでいただきたい
暴力の街、富士宮。
不良の高校生4人組は先輩のところへ原付を買いに行くのだが、無駄に人数分買わされるわ、一人が歯医者の息子と分かれば金をたかられる始末。要はカモられたのだ。この一件が原因となって暴力の世界へと足を踏み入れていく4人。ある者は先輩たちに取り入って手下となり、またある者は先輩たちに逆らって自分なりの不良道を生きようとする。彼らが不良の世界に起こした波紋はやがて隣町の不良も巻き込んだ騒動へと発展していく・・・
ガチ不良とゲリラ!ゲリラ!!
暴力シーンの妙なリアルさにも要注目だ。
普通のアクション映画に見慣れていると、本作のバトルシーンはスローというか、外連味がなくてアレ?となる人もいるだろう。それもそのはず、不良たちはケンカ慣れはしていても戦闘訓練を受けたプロではないのだ。だから無駄な動きがあるし、ゼーゼー言いながらがむしゃらに殴り合っているようにしか見えなかったりする。不良のケンカはかっこいいものではないのだ。この辺りは本物の不良が出演しているからこそのリアリティなのだろう。
リアルではあるものの、キャラクターや作劇に関してはマンガ的なテイストにしている点も多くあり、エンタテインメントとして楽しめる距離感はあると思う。マンガ的な世界観の部分は『狂い咲きサンダーロード』に影響を受けたのかなと。まぁ、マンガ的でも田舎の不良たちの怖さは変わらない。特に人の家に勝手に上り込んでくるアイツら!家の中も安全じゃないのかよ!怖い怖い・・・
小林勇貴を覚えとけ!
これだけ無茶苦茶な映画を撮った人間はどんなヤツだ!?と思ったら、小林勇貴監督はまだ24歳で管理人とほとんど変わらなかった。不良たちと渡り合うぐらいだから、さぞ強面な人なのかと思いきや、これまたそんなことはなく、普通の映画青年(ただし、かなりアナーキーな)だった。
ちなみに監督は本作に出演もしている。二回出てくるのだが、どちらも体張ってる笑
一番絡まれたくないタイプのキ〇ガイ、冬の川への飛び込み、チンポ丸出しなど笑いを持っていく見事な存在
あと、監督だけでなく、監督の弟も出演している。こちらは不良役、しかもかなり怖い人の役という・・・
小林監督は既に次回作『逆徒』の制作も始めている。これまでは数万で買えるような普通のデジタルカメラ(言われないと気付かないと思う)で撮影していたそうだが、監督のTwitterによれば先日動画用のカメラを買ったとのこと!今後の活動に期待大!!
いろいろ褒めたが、技術的な未熟さが目立つのは事実。
編集の切れ味や音楽の処理の仕方にはアマチュア感があるし、物語の構成だってもっとスマートにできたと思う。だが、映画の面白さは技術で決まるのではない。それは本作をみれば分かるはずだ。技術的には問題なくても全然面白くないものは腐るほどあるでしょ?そんな公共事業のごとくテキトーに量産されている映画を観るぐらいなら『孤高の遠吠』観なさいよ!!
下の予告にピンときた人は迷わず劇場へ!エンドロールで流れるあの曲に驚くこと間違いなしだ!
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自主映画ならではの初期衝動的エネルギーが良い方に機能した強烈な不良映画だ。
エネルギーのある作品を求めている人にはぜひ見てほしい。
数か月前に一度見ただけなので記憶違いの場合があることに注意して読んでいただきたい
暴力の街、富士宮。
不良の高校生4人組は先輩のところへ原付を買いに行くのだが、無駄に人数分買わされるわ、一人が歯医者の息子と分かれば金をたかられる始末。要はカモられたのだ。この一件が原因となって暴力の世界へと足を踏み入れていく4人。ある者は先輩たちに取り入って手下となり、またある者は先輩たちに逆らって自分なりの不良道を生きようとする。彼らが不良の世界に起こした波紋はやがて隣町の不良も巻き込んだ騒動へと発展していく・・・
ガチ不良とゲリラ!ゲリラ!!
本作の何がスゴイって、出演している不良たちが富士宮の本物の不良なことだ。
身体に掘った刺青は本物、暴力に慣れている雰囲気も本物、改造単車も本物。
俳優が演じたものとは違った素人不良のガチ感は見ものだ。この時点で商業映画では不可能!
正直なところ、作品を観るまでは「不良が出てるのはスゴイけど、自主映画だしなぁ・・・」と勝手に心配していたのだが、富士宮の街を原付で爆走するシーンでその心配は吹き飛んだ。街中をノーヘル、逆走しつつ暴走していく様子をゲリラ撮影しているのだ。
「この監督は本気だ」
スゴイ映画を観ているんじゃないかと、その時確信した。
その後もコンビニの前で自動車をグルグル走らせた無茶行為、暴走族がバイクに乗って街中を走るまでをワンカットで撮ったショット(バイクに乗りつつ撮影している)、警備員のスキをついてイオンの中で撮ったシーンなど、普通の自主映画ならばビビってできないようなゲリラ撮影を連発する。この映画、ゲリラ撮影ならではの活気やエネルギーが全編に満ち満ちているぞ!
本場の暴力とは?身体に掘った刺青は本物、暴力に慣れている雰囲気も本物、改造単車も本物。
俳優が演じたものとは違った素人不良のガチ感は見ものだ。この時点で商業映画では不可能!
正直なところ、作品を観るまでは「不良が出てるのはスゴイけど、自主映画だしなぁ・・・」と勝手に心配していたのだが、富士宮の街を原付で爆走するシーンでその心配は吹き飛んだ。街中をノーヘル、逆走しつつ暴走していく様子をゲリラ撮影しているのだ。
「この監督は本気だ」
スゴイ映画を観ているんじゃないかと、その時確信した。
その後もコンビニの前で自動車をグルグル走らせた無茶行為、暴走族がバイクに乗って街中を走るまでをワンカットで撮ったショット(バイクに乗りつつ撮影している)、警備員のスキをついてイオンの中で撮ったシーンなど、普通の自主映画ならばビビってできないようなゲリラ撮影を連発する。この映画、ゲリラ撮影ならではの活気やエネルギーが全編に満ち満ちているぞ!
暴力シーンの妙なリアルさにも要注目だ。
普通のアクション映画に見慣れていると、本作のバトルシーンはスローというか、外連味がなくてアレ?となる人もいるだろう。それもそのはず、不良たちはケンカ慣れはしていても戦闘訓練を受けたプロではないのだ。だから無駄な動きがあるし、ゼーゼー言いながらがむしゃらに殴り合っているようにしか見えなかったりする。不良のケンカはかっこいいものではないのだ。この辺りは本物の不良が出演しているからこそのリアリティなのだろう。
リアルではあるものの、キャラクターや作劇に関してはマンガ的なテイストにしている点も多くあり、エンタテインメントとして楽しめる距離感はあると思う。マンガ的な世界観の部分は『狂い咲きサンダーロード』に影響を受けたのかなと。まぁ、マンガ的でも田舎の不良たちの怖さは変わらない。特に人の家に勝手に上り込んでくるアイツら!家の中も安全じゃないのかよ!怖い怖い・・・
小林勇貴を覚えとけ!
これだけ無茶苦茶な映画を撮った人間はどんなヤツだ!?と思ったら、小林勇貴監督はまだ24歳で管理人とほとんど変わらなかった。不良たちと渡り合うぐらいだから、さぞ強面な人なのかと思いきや、これまたそんなことはなく、普通の映画青年(ただし、かなりアナーキーな)だった。
ちなみに監督は本作に出演もしている。二回出てくるのだが、どちらも体張ってる笑
一番絡まれたくないタイプのキ〇ガイ、冬の川への飛び込み、チンポ丸出しなど笑いを持っていく見事な存在
あと、監督だけでなく、監督の弟も出演している。こちらは不良役、しかもかなり怖い人の役という・・・
小林監督は既に次回作『逆徒』の制作も始めている。これまでは数万で買えるような普通のデジタルカメラ(言われないと気付かないと思う)で撮影していたそうだが、監督のTwitterによれば先日動画用のカメラを買ったとのこと!今後の活動に期待大!!
いろいろ褒めたが、技術的な未熟さが目立つのは事実。
編集の切れ味や音楽の処理の仕方にはアマチュア感があるし、物語の構成だってもっとスマートにできたと思う。だが、映画の面白さは技術で決まるのではない。それは本作をみれば分かるはずだ。技術的には問題なくても全然面白くないものは腐るほどあるでしょ?そんな公共事業のごとくテキトーに量産されている映画を観るぐらいなら『孤高の遠吠』観なさいよ!!
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