久々の更新です。
映画はかなり見ていたのですが、なかなかブログを更新する気力と時間がなかったのですよ。
ちなみに、前回の更新から見ていた映画(映画館で見たもののみ)というと、
・デッドプール
・ FAKE
・エクスマキナ
・ノック・ノック
・貞子vs伽椰子
・クリーピー
・葛城事件
・日本で一番悪い奴ら
といった具合。けっこう見てるでしょ?
自分でも驚いたのですが、最近は本当に日本映画の鑑賞本数が多いんですよ。まぁ、興味のある作品だけを見に行くようにした結果、たまたま日本映画ばかりになっただけなんですけどね。 それだけ今の日本映画が僕好みの作品が多く、逆に海外の作品で惹かれるものがなかなかないということです。2時間半もあるマンガ映画は正直見ていて疲れるし、PG-13指定だからか殺る気が感じられないんですよ。
で、『TOO YOUNG TO DIE』です。
週末興行ランキングが初登場一位となり、宣伝費もかかっている作品なのでご存知の方も多いかと思います。あらすじは、
修学旅行中、バスの事故で死んでしまい、好きな子への告白もキスもできないままに地獄へ落ちた男子高校生。地獄で毎週行われる閻魔様の裁きで人間道への転生を目指すも、畜生道(動物や虫など)を連発してしまう。そんな彼が出会ったのは地獄のロックバンド地獄図(ヘルズ)。ヘルズのリーダーキラーKによれば、地獄のロック甲子園で優勝すれば人間道へ行けるという。一応、バンド活動はしていたものの、好きな女の子へのアピールのためだけだったため、ギターの腕前は問題アリ。それを見かねたキラーKは、個人的な動機もあって高校生への猛特訓を始めるのだった!
という感じ。宮藤官九郎が監督と脚本を手掛けた本作は全編で爆笑できるコメディ作品であり、少しの感動もある一級のエンタメ映画としてお勧めできますが、ロック映画としてもかなり良いのです!宮藤官九郎お得意の「わかる人だけにわかるネタ」が本作でもふんだんに盛り込まれていますが、そのネタが本作ではギターキッズ仕様。「グループ魂」のギタリストであり、80s世代のクドカンらしいと思います。ただ、「わからない人」はよくわからないけど面白いで終わってしまっているのでは?そこで、以下ではそこそこのギターキッズな筆者が勝手に分析したネタ元を紹介しようと思います。ストーリーに関するネタバレは避けますので、ご安心を。
まずタイトルですが、同じようなタイトルの曲があります。
アルカトラスの「TOO YOUNG TO DIE,TOO DRUNK TO LIVE」という1984年の『ノー・パロール・フロム・ロックン・ロール』に収録された曲。「ネオクラシカル系」と呼ばれることとなったギターのイングヴェイ・マルムスティーンの弾きっぷりが気持ちいい名曲です。他にも似たようなタイトルの曲はありますが、ロックでなおかつ80年代のものとなるとやはりこれではなかろうか!?
続いて地獄図のメンバー名ですが、
ギター:キラーK
ベース:邪子
ドラム:COZY
となっています。これは確実にネタ元が存在するネーミングとなっていす。
邪子はジャコ・パストリアスが基になっていると思われます。この人はベースの演奏法を一新させたとも言われるほどの革新性があったそうな。フレットレスベースを一般化させたのはこの人だと思います。ベーシスト(特にジャズ系)ならば知らない人はいませんね。残念ながら酒とドラッグで身を滅ぼして35歳(1951~1987)の若さで亡くなってしまいました。
この動画のジャコは妙にハイな雰囲気があってヤヴァイ・・・
COZYはおそらくコージー・パウエルから命名しているはず。
元ディープ・パープルのリッチー・ブラックモアがレインボーに加入し、気に入らないメンバーを即クビにすることで有名なリッチーに頼られるほどの強力なドラマーでした。26インチのバスドラムを二つセットした巨大なドラムセットが特徴です。携帯電話で会話中、かつ酒酔いの状態で運転して事故って死んでしまいました(享年50歳 1947~1998)。
キラーKですが、これはおそらくスレイヤーのギタリストのケリー・キングが元ネタではないかと。
腕につけているトゲトゲがキラーKのギターのヘッドについています!
Slayerの傑作「Angel of Death」。歌詞がスゴイですよ。
ちなみに、ハゲの人が最近のケリー・キングです(笑)作曲したジェフ・ハンネマンは2013年に49歳で亡くなってしまいました・・・
スレイヤーのアルバムのジャケットは毎度地獄感が強いカッコよすぎなヴィジュアルなので、ジャケ買いしたくなる。
この他にネタとなっているギタリストには
ランディ・ローズ(飛行機事故で25歳で他界)、ゲイリー・ムーア(当初は酒の飲み過ぎからの寝ゲロかと
思われたが、実際は心臓発作で急死。58歳だった。)、スティービー・レイ・ヴォーン(ヘリコプターの事故で死去。享年35歳。)、カート・コバーン(双極性障害と薬物に苦しんだ末、頭をショットガンで打ち抜き27歳で自殺。)、ジミ・ヘンドリックス(酒と睡眠薬を併用した後の寝ゲロで27歳で死去。)などがいます。
以下、参考までに動画を貼っておきます。
もうお気づきかと思いますが、ネタにされているミュージシャンはほとんどが事故や自殺で早くに亡くなった人です。だからこそ「TOO YOUNG TO DIE」(死ぬには若すぎる)なんですが、ロック系の映画なんだからビートルズがネタにされてもいいだろう、と言いたくなる方もいらっしゃることでしょう。でも、本作でネタになっているのは皆地獄に落ちたミュージシャンなのです。劇中でも説明されますが、自殺した人間や罪を犯した人間が地獄行きなのです(事故で死んだ人も地獄行きなのは説明がありますが、それは見てのお楽しみ。)。だから、わけわからんストーカーにわけわからん理由で射殺されたジョン・レノンは地獄にいないのですよ。じゃあ、地獄に落ちた人々のことをバカにしているかというと、そこはボンクラ精神を持つクドカン、「カッコいいから地獄行きなんじゃねーの?」と言って見せます。
そして、本作は様々なゲスト出演者にも注目です。
名前だけを挙げると、Char、野村義男、マーティ・フリードマン、ROLLYといった皆がギターキッズがよく知るあの人たちや、プリッツのCMで一気に有名になったシシド・カフカといったミュージシャンや、中村獅童、田口トモロヲのようなパンク系ミュージシャンでもある俳優、さらにはみうらじゅん(!)まで登場。誰がどこに出ているのかをよくご覧ください!!
あと、ギターキッズ的には終盤のギターバトルが映画『クロスロード』を彷彿させるシーンになっていたのも印象深いところ。『クロスロード』はブルースギターのレジェンド、ロバート・ジョンソンが悪魔に魂を売ってギターの腕前を上げたとの逸話をネタにしているのですが、最終的に「クラシックの曲をギターで早弾いて勝つ」という、ロック映画としては問題のあるものでした。その点、「TOO YOUNG TO DIE」は最後までロックで貫いてくれたのが好感が持てるところです。個人的にかなり好きな作品だったので、もう一回ぐらい劇場に見に行こうかと思っています。なるべく音がデカいところで見ることをお勧めします!ちなみに、音楽は『ディストラクション・ベイビーズ』でもかっこいい音を聴かせてくれた向井秀徳が担当!
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映画はかなり見ていたのですが、なかなかブログを更新する気力と時間がなかったのですよ。
ちなみに、前回の更新から見ていた映画(映画館で見たもののみ)というと、
・デッドプール
・ FAKE
・エクスマキナ
・ノック・ノック
・貞子vs伽椰子
・クリーピー
・葛城事件
・日本で一番悪い奴ら
といった具合。けっこう見てるでしょ?
自分でも驚いたのですが、最近は本当に日本映画の鑑賞本数が多いんですよ。まぁ、興味のある作品だけを見に行くようにした結果、たまたま日本映画ばかりになっただけなんですけどね。 それだけ今の日本映画が僕好みの作品が多く、逆に海外の作品で惹かれるものがなかなかないということです。2時間半もあるマンガ映画は正直見ていて疲れるし、PG-13指定だからか殺る気が感じられないんですよ。
で、『TOO YOUNG TO DIE』です。
週末興行ランキングが初登場一位となり、宣伝費もかかっている作品なのでご存知の方も多いかと思います。あらすじは、
修学旅行中、バスの事故で死んでしまい、好きな子への告白もキスもできないままに地獄へ落ちた男子高校生。地獄で毎週行われる閻魔様の裁きで人間道への転生を目指すも、畜生道(動物や虫など)を連発してしまう。そんな彼が出会ったのは地獄のロックバンド地獄図(ヘルズ)。ヘルズのリーダーキラーKによれば、地獄のロック甲子園で優勝すれば人間道へ行けるという。一応、バンド活動はしていたものの、好きな女の子へのアピールのためだけだったため、ギターの腕前は問題アリ。それを見かねたキラーKは、個人的な動機もあって高校生への猛特訓を始めるのだった!
という感じ。宮藤官九郎が監督と脚本を手掛けた本作は全編で爆笑できるコメディ作品であり、少しの感動もある一級のエンタメ映画としてお勧めできますが、ロック映画としてもかなり良いのです!宮藤官九郎お得意の「わかる人だけにわかるネタ」が本作でもふんだんに盛り込まれていますが、そのネタが本作ではギターキッズ仕様。「グループ魂」のギタリストであり、80s世代のクドカンらしいと思います。ただ、「わからない人」はよくわからないけど面白いで終わってしまっているのでは?そこで、以下ではそこそこのギターキッズな筆者が勝手に分析したネタ元を紹介しようと思います。ストーリーに関するネタバレは避けますので、ご安心を。
まずタイトルですが、同じようなタイトルの曲があります。
アルカトラスの「TOO YOUNG TO DIE,TOO DRUNK TO LIVE」という1984年の『ノー・パロール・フロム・ロックン・ロール』に収録された曲。「ネオクラシカル系」と呼ばれることとなったギターのイングヴェイ・マルムスティーンの弾きっぷりが気持ちいい名曲です。他にも似たようなタイトルの曲はありますが、ロックでなおかつ80年代のものとなるとやはりこれではなかろうか!?
続いて地獄図のメンバー名ですが、
ギター:キラーK
ベース:邪子
ドラム:COZY
となっています。これは確実にネタ元が存在するネーミングとなっていす。
邪子はジャコ・パストリアスが基になっていると思われます。この人はベースの演奏法を一新させたとも言われるほどの革新性があったそうな。フレットレスベースを一般化させたのはこの人だと思います。ベーシスト(特にジャズ系)ならば知らない人はいませんね。残念ながら酒とドラッグで身を滅ぼして35歳(1951~1987)の若さで亡くなってしまいました。
この動画のジャコは妙にハイな雰囲気があってヤヴァイ・・・
COZYはおそらくコージー・パウエルから命名しているはず。
元ディープ・パープルのリッチー・ブラックモアがレインボーに加入し、気に入らないメンバーを即クビにすることで有名なリッチーに頼られるほどの強力なドラマーでした。26インチのバスドラムを二つセットした巨大なドラムセットが特徴です。携帯電話で会話中、かつ酒酔いの状態で運転して事故って死んでしまいました(享年50歳 1947~1998)。
キラーKですが、これはおそらくスレイヤーのギタリストのケリー・キングが元ネタではないかと。
腕につけているトゲトゲがキラーKのギターのヘッドについています!
Slayerの傑作「Angel of Death」。歌詞がスゴイですよ。
ちなみに、ハゲの人が最近のケリー・キングです(笑)作曲したジェフ・ハンネマンは2013年に49歳で亡くなってしまいました・・・
スレイヤーのアルバムのジャケットは毎度地獄感が強いカッコよすぎなヴィジュアルなので、ジャケ買いしたくなる。
この他にネタとなっているギタリストには
ランディ・ローズ(飛行機事故で25歳で他界)、ゲイリー・ムーア(当初は酒の飲み過ぎからの寝ゲロかと
思われたが、実際は心臓発作で急死。58歳だった。)、スティービー・レイ・ヴォーン(ヘリコプターの事故で死去。享年35歳。)、カート・コバーン(双極性障害と薬物に苦しんだ末、頭をショットガンで打ち抜き27歳で自殺。)、ジミ・ヘンドリックス(酒と睡眠薬を併用した後の寝ゲロで27歳で死去。)などがいます。
以下、参考までに動画を貼っておきます。
もうお気づきかと思いますが、ネタにされているミュージシャンはほとんどが事故や自殺で早くに亡くなった人です。だからこそ「TOO YOUNG TO DIE」(死ぬには若すぎる)なんですが、ロック系の映画なんだからビートルズがネタにされてもいいだろう、と言いたくなる方もいらっしゃることでしょう。でも、本作でネタになっているのは皆地獄に落ちたミュージシャンなのです。劇中でも説明されますが、自殺した人間や罪を犯した人間が地獄行きなのです(事故で死んだ人も地獄行きなのは説明がありますが、それは見てのお楽しみ。)。だから、わけわからんストーカーにわけわからん理由で射殺されたジョン・レノンは地獄にいないのですよ。じゃあ、地獄に落ちた人々のことをバカにしているかというと、そこはボンクラ精神を持つクドカン、「カッコいいから地獄行きなんじゃねーの?」と言って見せます。
そして、本作は様々なゲスト出演者にも注目です。
名前だけを挙げると、Char、野村義男、マーティ・フリードマン、ROLLYといった皆がギターキッズがよく知るあの人たちや、プリッツのCMで一気に有名になったシシド・カフカといったミュージシャンや、中村獅童、田口トモロヲのようなパンク系ミュージシャンでもある俳優、さらにはみうらじゅん(!)まで登場。誰がどこに出ているのかをよくご覧ください!!
あと、ギターキッズ的には終盤のギターバトルが映画『クロスロード』を彷彿させるシーンになっていたのも印象深いところ。『クロスロード』はブルースギターのレジェンド、ロバート・ジョンソンが悪魔に魂を売ってギターの腕前を上げたとの逸話をネタにしているのですが、最終的に「クラシックの曲をギターで早弾いて勝つ」という、ロック映画としては問題のあるものでした。その点、「TOO YOUNG TO DIE」は最後までロックで貫いてくれたのが好感が持てるところです。個人的にかなり好きな作品だったので、もう一回ぐらい劇場に見に行こうかと思っています。なるべく音がデカいところで見ることをお勧めします!ちなみに、音楽は『ディストラクション・ベイビーズ』でもかっこいい音を聴かせてくれた向井秀徳が担当!
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