京浜急行線の横浜駅から一駅いったところに戸部駅があります。
急行が止まらない小さな駅ですが、ここにも映画館があります。
10分近く駅から歩いてたどり着く商店街の近くにあるのが「シネマノヴェチェント」。
映画館とはいえ、30席ぐらいしかない小さな小さな映画館です。
小さいとはいえ、頑張りっぷりはかなりのもので、フィルム上映、様々な映画関係者を呼んでのイベント上映に加え、年に一回ほど日本未公開・未ソフト化の映画を自主配給(これもフィルムを新しくプリントしての上映)まで行っています。
そんな今年の自主配給作品が『カントリー・サンデー 恐怖の日曜日』であります。
とあるアメリカの田舎町。
田舎の酪農家のアーネスト・ボーグナインおじさんのもとに街の大学に通っていた孫娘が帰ってきました。
敬虔なキリスト教信者のおじさんは日曜日の礼拝には必ず行きます(アメリカ人は割と教会に行く人多いんですよね)。真面目なおじさんは孫の服装に文句をつけたりしますが、基本仲はいい様子。しばらく会っていなかった町の人にもすぐに溶け込みます。
しかし、こんな平和な町にも悪い奴は現れるもので、銀行強盗をやって逃げているオヤジ三人衆が登場でございます。オヤジたちは車を奪おうとして抵抗されると即お腹にズドン!逃げるおねーさんも捕まえて射殺(きちんとおっぱい映す丁寧な仕事ぶりでございます)。なんと悪い奴らでしょう。この辺りで「こいつらぶち殺せ!」「アーネスト・ボーグナインが殺ってくれるに違いない!」と思われる方は多いはず。
車が故障したので近くの家を襲って車を奪おうと画策する強盗オヤジ三人衆はボーグナインおじさんの家へと向かいます。家には孫もいるし、ボーグナインおじさんは危ないのでは!冒頭のおねーさんでは未遂に終わったレイプ描写ですが、ここにきてオヤジ三人衆と孫娘で繰り広げられてしまうのではないかと期待と不安の混じったモヤモヤを持ってしまう方もおられるでしょう。孫を犯されたボーグナインおじさんによる『狼よさらば』田舎版の始まりだ!!
と、妄想し終わったあたりでオヤジ三人衆が家にたどり着きます。
電話を貸してくれと分かりやすく嘘っぽい調子で来たオヤジへのボーグナインおじさんは快くドアを開けてあげました。あぁ、大変だ!と思った瞬間、ボーグナインおじさんは用意していたショットガンを至近距離から発砲。もちろん、散弾を一発残らず受けたオヤジは即死です。
ボーグナインおじさんは残りふたりの武器とズボンを取り上げて縛り上げてしまいました。
あれ?犯人捕まっちゃったじゃん?あと1時間ぐらいどうすんの?
と思ったところから本作はボーグナインおじさんの異常な側面をむき出しにした異常な方向へとシフトしていくのです。
一瞬のためらいもなく射殺するどころか、警察にすぐに通報するでもなく、まずは食事にしようと言い出すボーグナインおじさん。当然、孫娘は通報しなさいよと騒ぎます。しかし、こういうやつらは思い知らせてやらねばならんのだよと言い出す始末。
家畜用の極太の鎖を首に巻き、牛のウンチが混じった堆肥の上に残りのオヤジ二人を座らせた絵面からは田舎ホラーの香りが漂ってきます。悪党たちをいたぶり始めるボーグナインおじさんにただならぬものを感じた娘は警察に通報しようとしますが頑としておじさんは譲りません。
このように、序盤は「悪党対正義のおじさん」の構造のように思えますが、後半は次第に「街からやってきた人々対田舎のオヤジの独自の正義」という田舎ホラーの構造へと近づいていくのが面白いところです。この街から来た人に孫娘も含まれているのがミソです。これがどう転がっていくのかはご自分で確認してほしいのですが、私自身はかなり楽しめました。予想を超えていく映画、異常な映画はやはり面白い。
シネマノヴェチェントで一年ほど上映するはずです。貴重なフィルム上映、ぜひ、見られたし。
映画館の公式ページ↓
http://cinema1900.wixsite.com/home
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急行が止まらない小さな駅ですが、ここにも映画館があります。
10分近く駅から歩いてたどり着く商店街の近くにあるのが「シネマノヴェチェント」。
映画館とはいえ、30席ぐらいしかない小さな小さな映画館です。
小さいとはいえ、頑張りっぷりはかなりのもので、フィルム上映、様々な映画関係者を呼んでのイベント上映に加え、年に一回ほど日本未公開・未ソフト化の映画を自主配給(これもフィルムを新しくプリントしての上映)まで行っています。
そんな今年の自主配給作品が『カントリー・サンデー 恐怖の日曜日』であります。
とあるアメリカの田舎町。
田舎の酪農家のアーネスト・ボーグナインおじさんのもとに街の大学に通っていた孫娘が帰ってきました。
敬虔なキリスト教信者のおじさんは日曜日の礼拝には必ず行きます(アメリカ人は割と教会に行く人多いんですよね)。真面目なおじさんは孫の服装に文句をつけたりしますが、基本仲はいい様子。しばらく会っていなかった町の人にもすぐに溶け込みます。
しかし、こんな平和な町にも悪い奴は現れるもので、銀行強盗をやって逃げているオヤジ三人衆が登場でございます。オヤジたちは車を奪おうとして抵抗されると即お腹にズドン!逃げるおねーさんも捕まえて射殺(きちんとおっぱい映す丁寧な仕事ぶりでございます)。なんと悪い奴らでしょう。この辺りで「こいつらぶち殺せ!」「アーネスト・ボーグナインが殺ってくれるに違いない!」と思われる方は多いはず。
車が故障したので近くの家を襲って車を奪おうと画策する強盗オヤジ三人衆はボーグナインおじさんの家へと向かいます。家には孫もいるし、ボーグナインおじさんは危ないのでは!冒頭のおねーさんでは未遂に終わったレイプ描写ですが、ここにきてオヤジ三人衆と孫娘で繰り広げられてしまうのではないかと期待と不安の混じったモヤモヤを持ってしまう方もおられるでしょう。孫を犯されたボーグナインおじさんによる『狼よさらば』田舎版の始まりだ!!
と、妄想し終わったあたりでオヤジ三人衆が家にたどり着きます。
電話を貸してくれと分かりやすく嘘っぽい調子で来たオヤジへのボーグナインおじさんは快くドアを開けてあげました。あぁ、大変だ!と思った瞬間、ボーグナインおじさんは用意していたショットガンを至近距離から発砲。もちろん、散弾を一発残らず受けたオヤジは即死です。
ボーグナインおじさんは残りふたりの武器とズボンを取り上げて縛り上げてしまいました。
あれ?犯人捕まっちゃったじゃん?あと1時間ぐらいどうすんの?
と思ったところから本作はボーグナインおじさんの異常な側面をむき出しにした異常な方向へとシフトしていくのです。
一瞬のためらいもなく射殺するどころか、警察にすぐに通報するでもなく、まずは食事にしようと言い出すボーグナインおじさん。当然、孫娘は通報しなさいよと騒ぎます。しかし、こういうやつらは思い知らせてやらねばならんのだよと言い出す始末。
家畜用の極太の鎖を首に巻き、牛のウンチが混じった堆肥の上に残りのオヤジ二人を座らせた絵面からは田舎ホラーの香りが漂ってきます。悪党たちをいたぶり始めるボーグナインおじさんにただならぬものを感じた娘は警察に通報しようとしますが頑としておじさんは譲りません。
このように、序盤は「悪党対正義のおじさん」の構造のように思えますが、後半は次第に「街からやってきた人々対田舎のオヤジの独自の正義」という田舎ホラーの構造へと近づいていくのが面白いところです。この街から来た人に孫娘も含まれているのがミソです。これがどう転がっていくのかはご自分で確認してほしいのですが、私自身はかなり楽しめました。予想を超えていく映画、異常な映画はやはり面白い。
シネマノヴェチェントで一年ほど上映するはずです。貴重なフィルム上映、ぜひ、見られたし。
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