雑多庵 ~映画バカの逆襲~

管理人イチオシの新作映画を紹介するブログです。SF、ホラー、アクション、コメディ、ゲーム、音楽に関する話が多め。ご意見・ご感想、紹介してほしい映画などあれば「Contact」からメッセージを送ってください。あと、いいお金儲けの話も募集中です。

毎度おなじみ備忘録的アニメ話です。

2018年の冬アニメ、1話を見たもの(全話見たわけではないのです)は以下のようになります。
なお、最初から最後まで見ずに開始五分で見るのをやめてしまったものに関しては書きません。

宇宙よりも遠い場所
ラーメン大好き小泉さん
ゆるキャン
伊藤潤二コレクション
ポプテピピック
citrus
刻刻
カードキャプターさくら クリアカード編
続・刀剣乱舞 花丸
りゅうおうのおしごと
からかい上手の高木さん
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
たくのみ
恋は雨上がりのように
メルヘンメドヘン
ハクメイとミコチ
博多豚骨ラーメンズ
BEATLESS
ダーリン・イン・ザ・フランキス
Fate Extra
3月のライオン第2シリーズ(2クール目)

世間的には「ポプテピピック」が大いに話題になっていたけど、そんなに面白いか?というのが正直なところでした。神風動画、スペースネコカンパニー、AC部など短編アニメーションの世界では割と有名な人たちをテレビアニメの世界に引き込み、AパートとBパートとで音だけ変えて同じ映像を流す、パロディネタを全開に展開するなどプロデューサーの戦略が見事な作品だと思いました。攻めたパロディといえば、カナダのサウスパークやアメリカのシンプソンズなどを見ていると別に珍しくありませんし、攻め具合で言えば彼らのほうが断然上です。ただ、AC部の高速紙芝居「ヘルシェイク矢野」には驚きましたが(笑)

個人的に特に面白かったものといえば、
『宇宙よりも遠い場所』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『からかい上手の高木さん』『3月のライオン』

『宇宙よりも遠い場所』
「女子高生南極に行く!」という「私をスキーに連れってって」ぐらい安易でお手軽で軽薄な印象を持つ題材でしたが、本編を見ると本気で南極行きを目指し、旅に出る高揚感や辛さをきちんと描写していることに驚きました。南極で行方不明となった(=亡くなった)母との別れの旅という死を背負ったテーマも持っており、毎回が最終回といえるぐらいにエモーショナルでアニメーションとしても充実していたのも印象的です。いい具合に軽い感じも娯楽性が高くていいですね。


『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
戦争もの、戦後ものは筆者が好きなジャンルの一つです。架空の世界の戦争で幼くして兵器として育てられ、活躍した少女が戦後に手紙代筆人となるというお話の本作も戦争をバックグラウンドに持った作劇が面白かったです。少女を育てた少佐の死に向き合う物語となっており、宇宙よりも遠い場所とも近いテーマを持っていました。こちらも毎回のようにエモーショナルな展開を用意していましたが、戦争ものということもあり、よりウェットな印象。ウェットな戦争ものは日本の戦争ものではありがちですが、そこは京都アニメーション、TVシリーズとは思えないレベルの圧倒的ビジュアルで見せきります。絵描きにとってめんどくさそうなロングスカートを採用した衣装デザインや撮影処理のレベルの高さなど、やっぱり京アニはすげえ。10話の死にゆく母が娘のために手紙を残す話が「手紙は時間や空間を超えて思いを伝える」という本作の核となるテーマを最も表していると思いました。

『からかい上手の高木さん』
中学生の高木さんが隣の席の西方くんをからかう、というラブコメ漫画のアニメ化。原作の丸っこいラインの顔は描こうとすると意外と難しいのではと思いますが、キャラクターデザイン的にも絵の統一としても非常に安定していたと思います。演出のテンポがいい具合で、不思議と最後まで見られました。キャスティングのはまり具合も見ていられた要因かもしれません。

『3月のライオン』
第2シリーズのほうが前シリーズよりも演出の安定感があり、作劇としても主人公の周囲の人物に関する話が多く、より深く掘り下げられています。いじめ問題に向き合い、主人公ではなくオヤジ達の負けられない戦いをシリーズのクライマックスに持ってくるところも良かったです。


続いて、4月からの春アニメの話です。1話を見たものは以下のようになりました。

ゲゲゲの鬼太郎
ウマ娘プリティダービー
ルパン三世
銀河英雄伝説 Die Neue These
メガロボクス
多田くんは恋をしない
ヒナまつり
魔法少女サイト
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン
ペルソナ5
ピアノの森
ゴールデンカムイ
キューティーハニー
蒼天の拳
実験品家族
シュタインズ・ゲート ゼロ
ひそねとまそたん
オタクに恋は難しい
レイトン ミステリー探偵社~カトリーのナゾトキファイル~

この中で特に気になったのは、
『ウマ娘プリティダービー』『メガロボクス』『ひそねとまそたん』『ヒナまつり』『魔法少女サイト』。

『ウマ娘プリティダービー』
競走馬を擬人化したというか、完全に人間化した艦これの亜種といえそうな作品。しかし、艦これの悲惨な出来とは違い、本作の場合はPAWorksのハイレベルのアニメーションと思いのほか作品としても成立していて、競馬の世界を表現できている。身一つで走るシンプルさはアニメーションとしても相性がいいし、スリリングなレースを演出するのはチャレンジングだと思います。

『メガロボクス』
「あしたのジョー」を原案として近未来を舞台としたギアを装着のボクシングへと変換した作品。監督がコンセプトアートで有名な方なだけにデザイン関連が優秀で、別の物語・キャラクターとはいえ、原案のあしたのジョーらしさを保っているところが印象的。ところどころの止め絵を活かした演出がアニメ版の出崎統の演出を今風にブラッシュアップした感覚もあって面白い。

『ひそねとまそたん』
BONES×樋口真嗣×岡田磨里という気合の入った体制が話題だった作品。樋口監督はテレビアニメにかかわるのは何年振りなのだろう?自衛隊がドラゴンを飼っていて、飛行機に擬態させて乗る(パイロットが乗るのはドラゴンの胃の中!)という、突飛な設定をどう成立させ、面白くするのかが課題だが、飛行機描写はリアル寄りなのでミリタリー系の人も楽しいのでは。序盤から岡田磨里らしさあふれるセリフやキャラ配置が目立つが、主人公が富山県出身らしいというのも興味深い。

『ヒナまつり』
ヤクザの兄ちゃんと別の世界からやってきた超能力少女の交流ものというより、たんなるバカ話。アホなギャグに振り切っており、感動させようという下心が特に感じられないのがいい。アホなコメディだが、動きのレベルは高く、1話冒頭では中村豊のアクションを彷彿させるオバケがたっぷり入ったアクションがあった。監督の及川啓はウマ娘の監督でもあるが、テレビシリーズで二本同時に監督ってできるのか?及川監督は以前、筆者が面白がっていた『この美術部には問題がある』の監督でもあり、コメディの才能を感じる人だ。

『魔法少女サイト』
学校でいじめを受け、家庭では兄に暴行を受けている少女が魔法少女サイトにアクセスしてしまったことで魔法少女の能力を手に入れてしまうというもの。女子グループによるいじめ描写が強烈で、殴る、蹴る、便器の水に顔を押し付ける、椅子にドロドロした液体を仕込む(動画をきっちり使ってベッタリ服につくところを描くのもエグい)、バスケのボールを投げつけ、可愛がっていた野良猫を潰し、さらには男の先輩にレイプさせようとするなど思いつく限りの悲惨さを詰め込んだようなエグさ。
しかも、家に帰れば外面だけはいい高校生の兄の暴力のはけ口にされる。兄の暴行は妹の手足を縛って吐くまで腹部を殴るというもので、それが原因で生理がおかしくなってしまうなど、あまりの陰惨さに深夜アニメとはいえ暗すぎないかと言いたくなるほどだ。これに兄によるレイプも加わることも予想されるが(兄の暴行は性的欲求の発散にも見える。妹の部屋に入れずに縄を持つ手がワナワナ震えるカットがあるが、あのカットでズボンの股間あたりが膨らんでいる気がしてならない)、そこがないだけまだマシかもしれない。
この最低な生活で出会った魔法少女の能力もさらなる絶望をもたらしそうな予感しかなく、シリーズの今後が気になるところ。何かしらの救いがあることを願うばかりだ。

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