またしても1か月以上放置してしまいました。
私も忙しいのです。
ポケモン、ジュラシックワールド2、インクレディブル・ファミリー、未来のミライなど夏休み映画がひしめく中、今回紹介するのは『ウインド・リバー』でございます。
35℃以上があたりまえで外に出れば5秒で発狂しそうになる昨今ですが、ポスターの雪原を見るだけで気分が涼しくなります。ジュラシックワールドの火山爆発とは大違いであります。涼しい気分にさせてくれるポスターだけでもこの映画を選ぶ理由には十分です。
夜、月の光に照らされた雪原を女性が走っています。
必死に走る理由が観客にはわからないままタイトルが出ます。
続いて昼の雪原で狩りをする男が一人。獲物に気づかれることなく一撃でズドン。なかなかの腕前であります。さすがホーク・アイことジェレミー・レナーさんであります。
狩りを終えて車で家に着くと奥さんと思しき女性が出迎えます。しかし、妙に他人行儀な様子。どうやら離婚した奥さんのもとに息子を迎えに来たようです。養育費の話をしていても険悪になるわけでもなく、就職面接に行く元奥さんを心配する様子からケンカ別れをしたわけではない模様。
息子と牧場に行くと祖父らしき人物が出迎えます。服装と顔つきから察するに元奥さんはネイティブアメリカンの家だったようです。息子とのつかの間の交流の後に雪原にピューマ(英語ではライオンと言っていた気がするが?)狩りの仕事へ。現場に着くとなにやら人間らしき物体が倒れています。銃を構えつつ近づくとそれが死体だと気づきます。よく見ると冒頭の走っていた女性です。こんな雪の中、しかも裸足で走っていたのは何故でしょう?
若い女性の殺人事件とおぼしき謎の現場、州境も含んでいる土地なのか連保捜査官の登場です。
ラスベガスの裁判所から直行してきたフロリダ出身の若いおねーちゃんが登場とあって地元警察はあきれ気味でございます。穿いている下着がTバックなのも「舐めてんのかこのねーちゃん」です。そういえば、このカットはボディダブルかと思ったのですが、どうなんでしょう?そもそもカット割ってたっけ?詳しい方教えてください。
若いねーちゃんでもスカーレットウィッチなエリザベス・オルセンですからただの小娘ではございません。土地をよく知るジェレミー・レナーと組んで事件解決のために全力を尽くします。ここからは都会の刑事と地元の狩人のバディものになっていきますが、結末はいかに?
このままでは最後まで書いてしまいそうなので止めます。この先は見て確認してください。
世間的にはアメリカ先住民が土地を奪われ雪と山に押し込めたウインド・リバーの土地の特性や、アメリカ先住民が失踪してもほとんど知られない状況を指摘して社会にメッセージを投げかける作品として捉えられているみたいですが、そんなことは映画を作る動機としては不十分です。メッセージを投げるためだけに映画を作っている人はまずいません。そんなことのためだけにわざわざ雪山で寒さに耐えて撮影するものですか。説教したければ本にでも書けばよろしい。結果として社会派なテーマを帯びることになっただけで、監督の狙いはハンターを描くことだったのではと思います。実際のところ、良質なハンター映画であり、銃映画です。
冒頭からハンターとしての腕前を発揮しているジェレミー・レナーさんですが、その後も雪に残った痕跡から現場の状況を見極め、事件の糸口を見つけていきます。ハンターとして培われた追跡能力と知識で犯人を追い詰めていく設定を活かした展開です。「俺はハンターだ。分かるだろう?」と発せられるセリフがこの作品を一発で言い表しているものなのですが、それは最後までみればお分かりいただけるはずです。こういう上手いセリフはアメリカ映画の強みですね。最近の実写もアニメも含んだ日本映画に足りないのはセリフの強さじゃないかとも思います。
そして、銃映画としての側面ですが、冒頭の狙撃はもちろん、ライフルの弾は自作するあたりが本物感が素晴らしいです。射撃にこだわるタイプの人間は弾から自作します。この際、弾頭の重さや形状、火薬量をどうするかなどこだわりポイントがあるのですが、ガンマニアというほど詳しくはないので控えます。さて、優れた銃映画の基準ですが、私にとってはいつどのように撃つのかといったセッティングこそが重要です。ジョン・ウー映画のように撃ちまくるのも嫌いではないのですが、ここぞのところで発砲することでこそ盛り上がるというものです。その際、銃をどう扱って撃つまでの過程を描いているとなお良し。弾の自作の部分でウインド・リバーはポイントが高く、数回ある銃撃戦の場面はどれも発砲音に重みがあり、撃たねばならないシチュエーションの作り方もお見事でありました。特に終盤の銃撃戦では狩人と獲物の違いが明確に示されていてハンター映画としての面も同時に見せてくれて大満足でした。
久しぶりに満足した銃映画であり、ツボを押さえたセリフが光る良質なアメリカ映画の傑作です。暑いときに見るには最適な極寒の雪原が堪能できます。ぜひご覧あれ。
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私も忙しいのです。
ポケモン、ジュラシックワールド2、インクレディブル・ファミリー、未来のミライなど夏休み映画がひしめく中、今回紹介するのは『ウインド・リバー』でございます。
35℃以上があたりまえで外に出れば5秒で発狂しそうになる昨今ですが、ポスターの雪原を見るだけで気分が涼しくなります。ジュラシックワールドの火山爆発とは大違いであります。涼しい気分にさせてくれるポスターだけでもこの映画を選ぶ理由には十分です。
夜、月の光に照らされた雪原を女性が走っています。
必死に走る理由が観客にはわからないままタイトルが出ます。
続いて昼の雪原で狩りをする男が一人。獲物に気づかれることなく一撃でズドン。なかなかの腕前であります。さすがホーク・アイことジェレミー・レナーさんであります。
狩りを終えて車で家に着くと奥さんと思しき女性が出迎えます。しかし、妙に他人行儀な様子。どうやら離婚した奥さんのもとに息子を迎えに来たようです。養育費の話をしていても険悪になるわけでもなく、就職面接に行く元奥さんを心配する様子からケンカ別れをしたわけではない模様。
息子と牧場に行くと祖父らしき人物が出迎えます。服装と顔つきから察するに元奥さんはネイティブアメリカンの家だったようです。息子とのつかの間の交流の後に雪原にピューマ(英語ではライオンと言っていた気がするが?)狩りの仕事へ。現場に着くとなにやら人間らしき物体が倒れています。銃を構えつつ近づくとそれが死体だと気づきます。よく見ると冒頭の走っていた女性です。こんな雪の中、しかも裸足で走っていたのは何故でしょう?
若い女性の殺人事件とおぼしき謎の現場、州境も含んでいる土地なのか連保捜査官の登場です。
ラスベガスの裁判所から直行してきたフロリダ出身の若いおねーちゃんが登場とあって地元警察はあきれ気味でございます。穿いている下着がTバックなのも「舐めてんのかこのねーちゃん」です。そういえば、このカットはボディダブルかと思ったのですが、どうなんでしょう?そもそもカット割ってたっけ?詳しい方教えてください。
若いねーちゃんでもスカーレットウィッチなエリザベス・オルセンですからただの小娘ではございません。土地をよく知るジェレミー・レナーと組んで事件解決のために全力を尽くします。ここからは都会の刑事と地元の狩人のバディものになっていきますが、結末はいかに?
このままでは最後まで書いてしまいそうなので止めます。この先は見て確認してください。
世間的にはアメリカ先住民が土地を奪われ雪と山に押し込めたウインド・リバーの土地の特性や、アメリカ先住民が失踪してもほとんど知られない状況を指摘して社会にメッセージを投げかける作品として捉えられているみたいですが、そんなことは映画を作る動機としては不十分です。メッセージを投げるためだけに映画を作っている人はまずいません。そんなことのためだけにわざわざ雪山で寒さに耐えて撮影するものですか。説教したければ本にでも書けばよろしい。結果として社会派なテーマを帯びることになっただけで、監督の狙いはハンターを描くことだったのではと思います。実際のところ、良質なハンター映画であり、銃映画です。
冒頭からハンターとしての腕前を発揮しているジェレミー・レナーさんですが、その後も雪に残った痕跡から現場の状況を見極め、事件の糸口を見つけていきます。ハンターとして培われた追跡能力と知識で犯人を追い詰めていく設定を活かした展開です。「俺はハンターだ。分かるだろう?」と発せられるセリフがこの作品を一発で言い表しているものなのですが、それは最後までみればお分かりいただけるはずです。こういう上手いセリフはアメリカ映画の強みですね。最近の実写もアニメも含んだ日本映画に足りないのはセリフの強さじゃないかとも思います。
そして、銃映画としての側面ですが、冒頭の狙撃はもちろん、ライフルの弾は自作するあたりが本物感が素晴らしいです。射撃にこだわるタイプの人間は弾から自作します。この際、弾頭の重さや形状、火薬量をどうするかなどこだわりポイントがあるのですが、ガンマニアというほど詳しくはないので控えます。さて、優れた銃映画の基準ですが、私にとってはいつどのように撃つのかといったセッティングこそが重要です。ジョン・ウー映画のように撃ちまくるのも嫌いではないのですが、ここぞのところで発砲することでこそ盛り上がるというものです。その際、銃をどう扱って撃つまでの過程を描いているとなお良し。弾の自作の部分でウインド・リバーはポイントが高く、数回ある銃撃戦の場面はどれも発砲音に重みがあり、撃たねばならないシチュエーションの作り方もお見事でありました。特に終盤の銃撃戦では狩人と獲物の違いが明確に示されていてハンター映画としての面も同時に見せてくれて大満足でした。
久しぶりに満足した銃映画であり、ツボを押さえたセリフが光る良質なアメリカ映画の傑作です。暑いときに見るには最適な極寒の雪原が堪能できます。ぜひご覧あれ。
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