雑多庵 ~映画バカの逆襲~

管理人イチオシの新作映画を紹介するブログです。SF、ホラー、アクション、コメディ、ゲーム、音楽に関する話が多め。ご意見・ご感想、紹介してほしい映画などあれば「Contact」からメッセージを送ってください。あと、いいお金儲けの話も募集中です。

新年一発目の投稿です。今年もよろしくお願いします。

ということで、2018年のベスト映画を発表します。
今年はベストTVアニメも併せて紹介するぜ!

知り合いには独断と偏見が過ぎるといわれてしまったが、それぐらい個人的趣向が如実に反映された我ながら見事なセレクトっぷり

私と趣味を同じくする皆さまならば共感するかもしれないし、その他の人は「こんな人もいるんだぁ・・」と冷ややかな目で見てもらえれば幸い。

ってことで、以下で発表~

2018年映画ベスト10

1.ニンジャバットマン
2.バーフバリ 王の凱旋
3.霊的ボリシェヴィキ
4.ウインド・リバー
5.ミスミソウ
6.さよならの朝に約束の花をかざろう
7.ブレイブストーム
8.リズと青い鳥
9.アンダー・ザ・シルバーレイク
10.アラーニェの虫籠
次点.若おかみは小学生!

ninjabatman
1位と2位は2018年に見た最高にアホくさくて最高に楽しい映画。
どちらの作品も驚きに満ちた場面のつるべ打ちで、観客を徹底的に楽しませようという意識が感じられる娯楽映画だ。
baahubari
それでいて、強烈な個性もみなぎる素晴らしさ。特にニンジャバットマンは3DCGアニメーションで表情変化を楽しませてくれる点が良かった。国産のCGアニメは動きに関しては作画とも遜色なくなりつつあるが、表情の描写に関してはまだまだ不自然なだけに本作のように表情豊かなアニメーションは貴重だ。
どちらを一位とするか悩んだが、城が巨大ロボ化する流れからの五城合体、さらにはサルの大群という予想外過ぎる流れに100億点ってことで。

reiteki

3位は高橋洋監督の新作。映画美学校のワークショップの一環として学生と制作したインディの作品だが、スケール感は凄まじい。
降霊術かの如き怪談百物語に導かれし「名状しがたきもの」が来る感覚。2018年末には中島哲也監督の『来る』が何かが来る映画ではあったが、はっきり言って「来る」感覚は本作が格段に上である。横浜シネマリンでの鑑賞時には監督による上映前舞台挨拶もあったのだが、そこで語られた監督が関わったある映画のイベント時に体験した幽霊話が恐ろしく、上映時のチャイムの音が不穏な響きをしていた体験も含めて怖い映画だった。聞いたところによると、上映当日は機材が不調になってしまい、チャイムの音が不穏な音になったのも私の勘違いではなかったそうだ。やはり、この映画は「何か」を呼び寄せてしまうのかもしれない。。。

windriver
4位は2018年のアメリカ映画で一番良かった。
細かい話は以前の投稿で書いているので省くが、銃を撃つ状況の作り方が非常に上手い。
ジェレミー・レナー演じるハンターのかっこよさや正義の在り方を見せてくれる物語にアメリカ映画の心意気を感じる。

misumisou
5位は邦画の実写映画では一番好みだった。
ウインド・リバーと同じく田舎の雪景色だが、日本が舞台なのでどん底感が強い。
雪を血で染めつつ、若者たちがどうしようもなく殺しあう様に胸が打たれるものがあった。

6位は最期の瞬間までを描く点にキャラクターに対する誠意を感じた。脚本作で母親を描く機会が多い岡田磨里だが、ほとんどが毒親だったりする中、本作では母親の視点で描くことに監督作への気合を感じた。今時珍しい、デザインを作りこんだファンタジーというのもポイント高し。

7位は2017年の映画なのだが、2018年にソフトが発売され、自分もレンタルで初視聴だったため、ランクイン。
レッドバロンとシルバー仮面を合わせてリブートした映画である。
長らく日本のリブートもの特撮映画は残念な出来のものが多かったわけだが、本作はそんながっかり感を一切感じさせない出来。予算的に厳しい作品だったそうだが、パシフィック・リム等と比べても遜色ないレベルのCGで見せてくれるし、特撮ものに不可欠な巨大感の表現も申し分ない。むしろパシリムよりも面白いよ!!

8位は「響け!ユーフォニアム」シリーズの番外編。
今までのシリーズとはキャラクターデザインが一新し、脇役をメインに据え、男性キャラクターをほぼ排除、学校の敷地内で完結した構成など思い切った変更に監督の映画をデザインする意思を感じた。心理的な距離感を映画的に表現することにこだわった演出が随所にみられるが、ハイライトは中盤の教室と生物室のそれぞれの窓辺のやり取り。フルートの表面で反射した光を通して交わされる些細なやり取りだが、一方にとってはどうでもいい瞬間でも、他方にとっては人生のハイライトにもなりうる。そんな一瞬を表現することに成功しているだけでも、この映画はすごい。

9位はハリウッドの底辺の青年がどうしようもなくダラダラと妄想にふける様を描いた140分に及ぶ幻想。
サスペンスとして宣伝されているが、実際はまったくそんなことはなく、ひたすらダラダラと進む。説明がないのでわけわかんないといわれることは必至だが、不思議と見ていられる。終盤の「貴方、新しく犬を飼ったほうがいいわよ」というセリフと、それなりに上手いこと収まってしまう主人公のたくましさに妙に感動してしまう不思議な不思議な映画である。

10位は原案、監督、脚本、絵コンテ、演出、原画、動画、CG、撮影、美術、音楽を一人でこなした驚異の長編アニメーション映画。
声の出演と音響効果以外はすべて一人。短編で一人作業をする人は多いが、商業作品の60分以上の長編映画でそれを実現した例は初めて見た。別に一人でやったからと言って映画が面白くなるとは限らないが、本作はホラー映画として十分に怖い映画だ。
黒い人影、蟲、電動のこぎり、団地、突発的なホラー描写などホラー的ディテールが詰まっており、美少女が割とひどい目に遭う展開からはダリオ・アルジェント的なSっ気も感じられて面白かった。主演の花澤香菜さんの気合の入ったスクリームも堪能できる。
驚いたことに、これだけイタリアンホラー的なイメージを含んだ映画なのに、坂本サク監督はイタリアンホラーをほとんど見ていないという。感覚であれができるってすごいぞ。

続いて、今年初挑戦のTVアニメトップ10も紹介する。

1.宇宙よりも遠い場所
2.ウマ娘 プリティダービー
3.風が強く吹いている
4.ヴァイオレット・エヴァーガーデン
5.はねバド!
6.からかい上手の高木さん
7.3月のライオン 2期
8.ヒナまつり
9.火ノ丸相撲
10.多田くんは恋をしない
次点.ひそねとまそたん

urimoi
1位は以前も紹介した作品。
超エモーショナルで直球勝負の青春もので駆け抜けた13話。演出も絵も脚本もノリノリで、
2話の歌舞伎町を駆け抜ける高揚感、南極行きをバカにしていた連中に対する「ざまぁみろ!」、11話の過去に助けてくれなかったのに友達面してきた連中への「あなたたちはそのままモヤモヤした気持ちを引きずって生きていきなよ!今更なんだ、ざけんなよ!」などノリにのった熱い場面が目白押し。一切日和ることなく真剣に向き合う感覚が良かった。総合的な出来の良さでは一位はこれ。

umamusume
2位は2018年で最も個人的に熱くしてくれた作品。
エンタメに徹しつつ、実際の有名なレースをベースにしたシーンも多く、現実に起きたサイレンススズカのレース中の負傷(実際はその後安楽死となった)も描かれる。
そこからの復帰も描いて見せるのもまた、エンタメだからできる、エンタメがやるべきことだ。最後まで楽しく熱い作品でした。

wind
3位は放送中の作品。
絵的にも演出的にもノっているし、スポーツものとしての面白さに加えて、群像劇としての面白さもある。いかに箱根へとたどり着くのかが楽しみだ。

violet

4位は京都アニメーションの強力な作画技術と、仕上げや撮影も含めてクオリティの高さが圧倒的な作品。
本作脚本の吉田玲子さんは2018年は劇場作品3本(リズと青い鳥、若おかみは小学生!、のんのんびより ばけーしょん)、TVシリーズ2本(本作、ハクメイとミコチ)を手掛け、そのどれもが成功している大活躍した年といえる。
ともすれば感動ポルノになりかねないギリギリのところを、真剣に取り組むことで逃れられていると感じた。一番良かったのは10話。

hanebado
5位はバドミントンの動きを一切逃げずに最後まで作画で表現するライデンフィルムの体力に恐れ入った。
3D背景動画との合わせ技もあったりと、非常に高度な作画が見どころ。共感できない主人公に対して周囲の負けていく人々の熱い物語が良かった。作品は勝たねばならないが、敗者にこそドラマがある。

6位は安定したシリーズ演出と、最終12話のちょっといい話で落とす気持ちよさが中学生のラブコメとしてちょうどいい感じ。

7位は1期よりも安定した演出と、主人公以外の人にクローズアップした構成が良かった。

8位は2話のキャ!バ!ク!ラ!のシーンの楽しさにやられた!たーのしー!

9位は絵が頑張り切れない部分を演出が計画を練ることでカバーする工夫がみられてよかった。

10位は成功したとは言い切れないが、オリジナルのラブコメとしてキャラクターに魅力を持たせることに成功しているし、ローマの休日をベースにしつつも落としどころをより現代的に変えているところも良かった。

以上、2018年のベスト映画とベストTVアニメの発表でした。
自分で見ても偏りを感じる独自色が強いベスト10になったと思う。
自分が詰まらないと感じた作品は一切載せていないので、興味、関心を持たれた方は是非見てください。お勧めです。

では、また次回

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