少し、タイミングを逃した感がありますが、面白かったので紹介します。

実は「このオヤジ、実はヤベェやつだった」な展開が超楽しいナーメテーターな映画でございます。



ジャッキー・チェンの新作主演映画です。

ジャッキー・チェンといえば、映画においては100万ドルの満点笑顔を振りまき、コミカルな体を張ったスタントを自ら実行、エンドロールではその舞台裏を見せるNGシーンを付けるという、お笑いカンフーを開拓したことで有名です。

しかし、ジャッキーにはメディアには見せない大いなる暗黒面もあるそうで。
時折見せる真顔が妙に怖かったりするのです。
その片鱗を見せるのが、新宿で暗躍する中華系マフィアの抗争を描いた『新宿インシデント』


ずいぶん前に見たので、正直どんな感じだったかちょっと忘れたが、ジャッキーが妙に怖かった記憶がある。

さて、問題の『ザ・フォーリナー』、このジャッキー超怖いです。

アイルランド独立戦線のテロリストの爆破テロに巻き込まれて娘を亡くしたジャッキー。
妻を亡くしており、唯一の肉親だった娘が死んだことでひたすらしょんぼり。
警察署に訪れては犯人は誰か、せめて名前だけでもと尋ねる日々。
地元警察に聞いても埒が明かないため、元アイルランド戦線の参加者の議員の事務所に乗り込む。
しかし、ここでも犯人への手掛かりは全く得られずじまい・・・

「名前を教えてくれ」を繰り返すばかりのしょんぼりした中国人のオヤジだったジャッキーだが、
事務所から去る際に一言「後悔しますよ」とポツリ。

ここからのジャッキーが怖い。
事務所のトイレに行くと、持ち込んでいた日用品を使って即席の時限爆弾を作成、便器を丸々吹き飛ばす！なんだ、このオヤジ？この技術どうしたんだ？と思っていると、その後も議員のスタッフの車に爆薬を仕掛けるという恐怖の工作。ついには議員から刺客を差し向けられるが、そこはジャッキー、屋根からの上のアクション、階段アクションも駆使して多人数相手の包囲網から脱出。とっくに60を超えているというのに動けているのが驚かされる。

ここまででまだ前半。次第にヒートアップする議員とのバトル、アイルランドのテロ犯と議員との裏の関係、意外と複雑な政治的背景を含んだ展開が続いていきます。
後半にも繰り返される「名前を教えてくれ」のあまりのしつこさとジャッキーのゲリラ戦が恐怖を帯びていく。極端にしつこい人はサイコ系のホラー映画では定番の恐怖パターンだが、真顔のジャッキーが暴力をふるいまくり（殺人も含む）、破壊工作をしていくのと合わさると怖いのなんのって。。。

本人的には犯人の名前を教えてほしいだけなんだろうけど、しつこすぎると怖い（笑）

完成度の高いアクション映画です。娯楽度も高く、タイトな作りでエンディングもスムーズ。
お勧めです。

「ゴールデンアイ」の監督はやはり優秀だなぁ。同じ監督の『復讐走査線』も良かった。



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