雑多庵 ~映画バカの逆襲~

管理人イチオシの新作映画を紹介するブログです。SF、ホラー、アクション、コメディ、ゲーム、音楽に関する話が多め。ご意見・ご感想、紹介してほしい映画などあれば「Contact」からメッセージを送ってください。あと、いいお金儲けの話も募集中です。

2020年になりました。
毎度おなじみ庵野ハルカです。

皆様いかがお過ごしでしょうか?
儲かってますか?
うまいもん食ってますか?
本買ってますか?
アニメ見てますか?
映画見てますか?

どれもない?そーですか。そーですか。
最後の三つぐらいは達成してほしいなぁ。
何を見ればいいかわからない?それは困った。

そんな映画を見ていない、何かいいのないかなーと思っている皆様へ向けて、
私の推薦映画、2019年の気分を現した映画をご紹介します。

私的な趣向により選ばれたトップテンですが、少しは見た人に活力を与える力はあると思います。
例のごとくシリーズ物のアニメーション作品のトップテンも選出したのに加え、2019年は日本のアニメーション映画が大量に公開された年のため、別に日本のアニメーション映画ベストテンも出しています。

・2019年映画ベスト10

1.宮本から君へ
2.きみと、波にのれたら
3.天気の子
4.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
5.ザ・フォーリナー 復讐者
6.ドクター・スリープ
7.3 From Hell
8.アイリッシュマン
9.劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] II. lost butterfly
10.惡の華
次点 ミスター・ガラス

見事な偏りが見られるリストになった。

1位、2位、3位、9位、10位と半数が日本映画という結果。
しかも、そのどれもが男女の関係性を描いた作品で、自分の興味がどこにあるのかがあまりにもわかりやすくて驚く。自分は一生懸命な恋愛映画が好きらしい。

10位は閉塞的なセカイの外側を目指そうとする少女に「変態」としての自分を見せることで尽くそうとする少年、9位は世界を破滅させる恐れのある少女を救うためだけに戦うことを決意する少年、3位は一人を犠牲にした晴れよりも世界の破滅を選ぶ少年、2位は事故死した後も幽霊となって恋人が波に乗れるようになるまで見守る青年、1位は恋人を犯した男への絶対に負けられない勝負を挑む男を描く。

それぞれが傾向は違うものの、男が一生懸命であることは共通していると思う。
これは自分のそうでありたいという願望なのか、ただ一生懸命な姿に奮起させられているのか、わからない。おそらく両方なのだろう。
あと、『天気の子』と『きみと、波にのれたら』以外には割とはっきりとした性描写が含まれていることもポイント(『きみと、波にのれたら』もラブシーンは十分あるわけだが)。この辺りを描写しないと伝わらない、描けない物語もあると思うので、映画においてセックスを描くことは重要だと思っている。映画(ゲームでもいいが)における性描写については詳しく書くこともあるかもしれない(予定は未定だ!)

その他の作品についても触れておく。

8位はNetflix配信向けに制作されたマーティン・スコセッシ監督の新作。
ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ、アル・パチーノをデジタル技術で若返らせるという最新技術を導入したことが話題だが、この技術では顔は若返っても本人の肉体年齢までは若返らないため、見た目は若いけど階段の乗り降りや立ち上がる動作に年齢がどうしても出てしまっている瞬間に老いを感じて面白かった。「老い」の問題はこの映画のテーマでもあり、冒頭から終盤まで過去シーンを挟みつつ出てくる車での長距離移動はイングマール・ベルイマンの『野いちご』のようにも見えたし、終盤30分の終活シーンは人生の終わりとはこんなにも孤独なのかと思わされた。

7位はロブ・ゾンビの新作にして「マーダー・ライドショー」「デビルズ・リジェクト」と続いた最恐3悪人シリーズの3作目。
 前作で警官隊にハチの巣にされたはずの3人だが、実は生きていたというから笑ってしまう。
 完全に開き直ったキャラ押しの強い映画であり、前作とやっていることもほぼ同じ。でも、楽しいから全く問題ない。 逃亡先のメキシコでの決闘やラストのセリフも爽快。Adios! Motherfucker!!
ホラー好きの心のオアシス、新宿ビデオマーケットにて撮影(これが聴けば驚くビッグタイトルなのだが何かは秘密)で来日中のビル・モーズリィを招いての緊急サイン会で本作のソフトにサインしてもらったことは忘れがたく、またビルさんの人柄の良さとファンサービスぶりが映画の中のキャラクターとかけ離れていて益々ファンになってしまう始末。まだ日本公開は決まっていないが、ビデオマーケットでは輸入盤が売っている。買え!!↓
 
6位は「シャイニング」の続編として書かれた同名の小説の映画化。
多くの人は 「シャイニング」といえばキューブリックを連想してしまうだろうが、こちらはあくまでキングの原作の続編である。キューブリックの存在があまりにも大きいためにイメージ的な部分を引用してはいるが、作品としては別物にできているのが好印象。
ヤバい親父を持った息子が父親の呪縛から脱し、次世代に希望を残すドラマをじっくり見せきる演出力が見事で、変幻自在のカメラワークで描かれる超能力合戦に燃える一作。
『オキュラス/怨霊鏡』で一気に名を上げたマイク・フラナガン、やはり優秀な監督だ!

5位は以前紹介した本当は怖いジャッキー映画。
爆破テロの巻き添えで娘を失ったジャッキー・チェンが犯人を求めてどこまでも追ってくる!
真顔ジャッキーがゲリラ戦を仕掛ける恐怖感や、正義の側のはずの特殊部隊の人たちもテロリストに容赦なくて怖いという、やるときは殺る人ばかりな怖い映画。

4位も紹介済みのタラの新作。
歴史のifを笑い話として描きつつ確実にスカッとさせるラスト、時代の空気感を伴ったたっぷりとした時間、最高にかっこいい人々と音楽、映画を愉しむタラの新作は過去最高に楽しい時間が詰まっていた。

というわけで、私の趣味がかなり出たランキングになったと思う。

1位にした『宮本から君へ』は1か所だけ文句を言いたい点があるが(セックスの描写がはっきりとあるのにどう考えても不自然に見せない女優のおっぱい問題がここでも!ex.『岸辺の旅』『私の男』『さよなら渓谷』)、それ以外は大満足だった。普段はダウナーな演技ばかりの池松壮亮がこの映画では最初から最後まで叫びまくる!うるせーコノヤロー!!蒼井優もものすごい顔で叫ぶ!こんな時にも勃起してんのかよ、変態が!!
どの出演者も全力でぶつかり合った熱い記録が刻まれた映画だ。薬物所持で逮捕されたピエール瀧が出演していたため、文化庁の助成金が交付されるというふざけた事態にもなったが、本作を撮り切った利子哲也監督は本当にすごい。終盤の決闘シーンの見ている側が心配になる危険なアクションにハラハラし、ラストの宮本の表情にグッときて、宮本浩次の全力歌唱でブチ上がって終わる本作。感情の波の強さに疲れることは必至だが、是非見てほしい!


選外となってしまった作品だが、『ハロウィン』の続編は殺される側が魅力的なキャラクターとなっていて、殺された瞬間のショックが強かった。ホラー映画の被害者はどうでもいい人になりがちだが、このショックがあると怖さが増す。『ヘルボーイ』のグログロ総進撃っぷりはそれ以外は空っぽなアホな映画とも言えるが、最高に楽しいし創意工夫の効いたグロ描写は美しさも伴っていた。

・2019年アニメベスト10

1.モブサイコ100 2
2.さらざんまい
3.からかい上手の高木さん2
4.本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
5.BEASTARS
6.バビロン
7.無限の住人 IMMORTAL
8.臨死!! 江古田ちゃん
9.ケムリクサ
10.まちカドまぞく

シリーズもののアニメのランキングはこんな感じ。
これまた趣味全開。大して書くこともないのが、ポイントだけを列記。

10位はどこまでも優しい世界で、家族間でも丁寧語な主人公のまっすぐなキャラクターと周囲の人々の距離感が非常に心地よく、楽しかった。


9位はたつき監督の廃墟趣味が楽しい。
8位はバリエーション豊かな作風とベテラン監督の確かな演出力に5分で満足。
7位は濃厚なキャラクターデザインでバイオレンス度数も高めな見せる演出にグッとくる。
6位はこれを描いている段階で未完だが、毎回次が気になるアメリカンドラマ的な展開にハマる。
5位はCGアニメの技術の目覚ましい進歩に驚く。
3位と4位は丁寧で安定した作画と演出に、2位は合体バンクの如く繰り返される尻子玉抜きムーブとさらざんまいの歌が最高。
1位は回を重ねるごとに絵の熱量が上がっていき、派手な場面も細かな日常描写もきっちり動かす熱意に満ちた作品だった。

・日本のアニメーション映画ベスト10

1.きみと、波にのれたら
2.天気の子
3.Fate/stay night Heaven's Feel 2章
4.海獣の子供
5.空の青さを知る人よ
6.ぼくらの7日間戦争
7.プロメア
8.ガールズ&パンツァー最終章第2話
9.峰不二子の嘘
10.響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ

今年は日本のアニメーション映画が大量に公開された年で、自分もかなりの本数を見た。
10位は「リズと青い鳥」を丸々一曲分の演奏シーンとして構成するカロリーの高さに京都アニメーションの度胸と実力の高さを見た。メインの女子二人のエロチックな距離感にもグッとくる。
9位は小池健のルパン不二子メイン回。おっぱいも見れらます。この路線で長編映画作ってくれー。
8位は言わずもがな最高。知波単の成長ぶりに感動。
7位は日本のマイケル・ベイは今石洋之監督だと改めて実感する映画。
6位は現代風にリメイクするポイントが的確だったのと、終盤の告白に驚いた同時にこれでいーじゃんと思わされる。
5位は超平和バスターズの作り手としての成熟が見られた。吉沢亮の演じ分けの上手さと、さりげない歌唱シーンの上手さに驚く。あえてクライマックスを見せずに終わる潔さも気持ちいい。
4位の『海獣の子供』は2時間に収めるために原作から削られた要素の多さが原作ファンとしては残念ではあったが、それを補って余りある驚異のクオリティに圧倒された。作画の細かさはもちろんだが、CGも背景も音もどれもが異常なレベルの高さで達成できている。間違いなく10年に一本の映画だ。



というわけで、2019年のベスト色々でした。
映画に限って言えば、今年のベストテンはセカイに盾突くヤツらの闘いが描かれたものばかり(映画ってほとんどそうだろ?という声が聞こえてくるが・・・)。選出はかなり悩んでしまったが、2019年の庵野ハルカの気分はかなり闘争的だったということで、2020年もひとつよろしく!!

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