あっという間に春になってしまいまして、また新作の季節になりました。
今回は以下の作品をチェックしました。
- 阿波連さんははかれない
- 処刑少女の生きる道
- 群青のファンファーレ
- シャドウバースF
- ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第2期
- マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final Season
- ヒーラーガール
- 名探偵コナン ゼロの日常
- パリピ孔明
- 勇者、辞めます
- RPG不動産
- エスタブライフ
- であいもん
- Shenmue the Animation
- 社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。
- ヒロインたるもの!
- まちカドまぞく 2丁目
- 恋は世界征服のあとで
- ダンスダンスダンスール
- アオアシ
- 可愛いだけじゃない式守さん
- くのいちツバキの胸の内
- SPY FAMILY
- 本好きの下剋上 第3期
- サマータイムレンダ
- カッコウの許嫁
年度初めということもあるのか、気合の入ったタイトルが多い印象です。個人的に好きな作品もあったので3本紹介します。
1本目は『SPY×FAMILY』
ジャンプ+で連載中の大人気漫画であり、評価も高い作品だったためアニメ化もすぐにされるだろうと思いましたが、Clover WorksとWit Studioという今もっとも勢いのある2つのスタジオが共同制作するとは予想外です。冷戦時代のベルリンをモチーフにした架空の街で敏腕スパイ「黄昏」に与えられた次なる任務は名門校への潜入。ガードの堅い学校への潜入のために子どもを入学させて親の立場として入り込む作戦ですが、まずは子どもを現地調達しなければなりません。孤児院で出会ったアーニャを養子として迎えますが、アーニャは実は人の心を読めるエスパーでした。任務のために「父親」となるスパイの男、居場所を得るためにエスパーであることを隠す少女、さらに世間体のために夫を必要とする殺し屋の女が加わってお互いに隠し事をしつつ疑似家族となる一家の物語です。
監督は『るろうに剣心』や『HUNTER×HUNTER』といったジャンプ系の作品、『どろろ』(2019)『機動戦士ガンダムUC』等を手がけてきた古橋一浩さん。前述の強力な制作スタジオと経験豊富な古橋監督が組むだけでも十分クオリティは担保されそうですが、OP曲にOfficial髭男dism、ED曲に星野源ととにかくヒットさせようという気合が伝わってくるタイアップもしています。そのOPのアニメーションに業界随一のOP職人石浜真史さん、EDにはアニメ版のアイドルマスター監督の錦織敦史さんという盤石な体制です。
毎話非常に安定した出来で見ごたえがありますし、嘘だらけの関係のニセ家族のはずの3人が少しずつ本当の家族のようになっていく物語も良いですね。凄腕スパイであっても、子どものことになると苦戦してしまう様が笑えて、アーニャが「父」や「母」の嘘をすべて知っているという構造も物語を面白くしています。
2本目は『であいもん』
10年間東京でバンド活動した末にまったく売れず、京都の老舗和菓子屋の実家に帰ってきた男が主人公。久しぶりに帰宅してみれば、実家では親に置いてけぼりにされた少女が看板娘になっていたのでした。奇しくも少女の父親もミュージシャン。生活力はなくとも、人の良い男は少女の父親代わりになることはできるのか?というハートフルなコメディです。同名のマンガが原作となります。
最近はやりのアッパーでスピーディな進行にせず、各話を丁寧に演出している点が好印象です。京都が舞台のため、劇中は京都弁が標準語となりますが、何人か京都弁ネイティブの方(小山力也さん、伊藤彩紗さん、上田瞳さんなど)が出演されているのも良いですね。
3本目は『パリピ孔明』
原作:四葉夕卜、作画:小川亮によるマンガが原作。現代の蘇った諸葛孔明がたどり着いたのはハロウィンの渋谷!周囲に流されるまま、クラブに入った孔明が聴いたのは歌手を目指す少女英子の素晴らしい歌声だった。英子の歌声に感激した孔明は英子をトップスターにするべく軍師としての策をめぐらすのだった!!
という感じの無茶設定の転生ものの作品なのですが、とにかく楽しいのです。そもそも転生ものと言えば、その多くが現代からファンタジー世界に行くパターンが多いのですが、本作の場合は現代に来るもの。最初はカルチャーショックにビビりつつも、天才軍師孔明はあっという間に現代に順応して現代の情報戦にも勝っていくのですから痛快です。やはり、異世界に行って無双するよりも有名人に来てもらった方が面白い。『ビルとテッドの大冒険』を見れば自明なことです。
ピックアップした3本に共通しているのは年の差男女がメインとなる点です。
男が少女に振り回される話は昔からありますが、コントロール不能な存在としての子どもと大人の関係性はドラマを盛り上げるようです。この路線のアニメでは昔の作品ですが、『うさぎドロップ』も良かったですね。原作では保育園から始まって大学生になるまでを描いていますが、アニメでは前半で終わっています。当時10歳で出演していた松浦愛弓さんも今年(2022年)で20歳だそうなので、今なら続きができるのではと思ったりもします。
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