当ブログ初のアニメ映画、ディズニーの『シュガー・ラッシュ』を紹介します。
やっぱりディズニーはすごい!
ディズニーの映画が始まる前には『蒸気船ウィリー(1028年、ミッキーの初出作品)』でミッキーが舵をとっているロゴが入るのですが、ミッキーが8ビット風になっている時点でゲーマーたちは「おっ!」となるはず。そうです!この映画はゲーム、特に8ビット(ファミコンに代表される古いゲームはコンピュータが発達していなかったから8ビットでしか表現できなかったのです)の古き良き時代のものへのリスペクトの込められた映画なのです!
・あらすじ
舞台はゲームセンター。主人公は80年代初頭から30年も現役の「Fix-It Felix」の悪役ラルフ。彼は長年悪役として皆からのけ者にされているのが不満で、一度でいいからヒーローになりたいと願ってきた。皆に認められたい一心のラルフはヒーローのメダルを得るために最新のシューティングゲームの世界に忍び込む。なんとかメダルを手に入れたものの、敵キャラのサイ・バグに襲われて大騒動。サイ・バグもろともレーシングゲーム「シュガー・ラッシュ」の世界に迷い込んだラルフは小生意気な少女ヴァネロペに出会う。劣等のレッテルを張られているヴァネロペは皆からのけ者され、レースにできないでいた。ヴァネロペにメダルを奪われてしまったラルフはメダルを取り戻すためにヴァネロペのレース参加に協力することになる。はじめは渋々協力していたが、次第に友情を深めていくラルフ。だが、「シュガー・ラッシュの王様、キャンディ大王から聞かされたヴァネロペの秘密はゲームの世界に危機をもたらすと判明して・・・
ディズニー映画がヒットを続ける理由の一つに親世代へのアピールがあります。これは現在は子会社となったピクサー・アニメーション・スタジオの特徴でもありますが、子供と一緒に見に来る親世代に訴えかける作品を作ることで、親たちが良い作品と思うから、またディズニー映画を見に来るというサイクルを作っているわけです。わかりやすい例を挙げると、『トイ・ストーリー3』は親の子離れ・子の親離れをテーマとしています。大学生になっておもちゃ離れをしようとするのは子供が親の元を離れるのと重なるわけですね。
もちろん、今作も親世代にウケるつくりとなっています。ラルフというキャラクターが人生がうまくいかなくて悶々としているオジサンの象徴となっているのです。ラルフが寝ているのはゴミの山の中で、参加する悪役たちの会は『ファイトクラブ』に出てくるような依存症の会やガン患者の会にそっくりです。さらには飲み屋に行ったりもするので、完璧にオジサン。皆からのけ者にされているのは「いい年こいて悪役みたいなダメな仕事していて人生の負け組だな」ということです。しかもゲームセンターは家庭用ゲームの普及で不況続き。職を失ったキャラクターも登場します。
そんな「負け犬」ラルフが出会うのが、皆より劣っているという理由でのけ者にされているヴァネロペ。『シュガー・ラッシュ』はそんな社会的地位の低い二人が出会って反撃する物語なのです。この展開は『ガタカ』にも似ています。『ガタカ』はDNAの優位性で人生が決まってしまう世界で、優等な兄をもつ劣等な弟が草の根根性でのし上がる話でした。
映画で描かれるのは「負け犬たちの反撃」に加え、仕事への責任や誇り、自己犠牲の考えなど大人向けといってもいいくらいの深いテーマ。子供よりも大人たちの方が泣ける展開となっています(マジで)。
ゲームや映画のネタがちりばめてあるのが特徴の今作。エッグマンやザンギエフ、ソニック・ザ・ヘッジホッグなどの日本のゲームのキャラクターがそのまま登場しますし、Halo風のFPS(一人称視点シューティングゲーム)、DoomやTapperといった古いゲームのネタも登場。名前だけですが、トゥーム・レイダーのララ・クロフトも登場します。終盤のレースのシーンはマリオカートそっくりですね。
これが「Tapper」
映画のネタを挙げると、サイ・バグは『スターシップ・トゥルーパーズ(ディズニー映画)』のバグに似ていますし、産み付ける卵が広がる光景は『エイリアン』のよう。フェイスハガーみたいなのも出てきます。さらにはラルフがハルクのごとく緑色になって暴れる場面やダース・ヴェイダーの呼吸音も聞こえてきます。今やマーベルエンタテイメントとルーカスフィルムはディズニーの傘下なのでこのようなネタも使い放題。ディズニーはコンテンツ産業を牛耳る会社となってしまいました。すげぇわディズニー。
ちなみにヴァネロペやその他の女の子たちのデザインは原宿系ファッションからインスパイアされているとのこと。ゲームやファッション面での日本リスペクトがかなりされています。
日本では吹き替え版のみの上映、森三中やハリセンボンらの芸能人を一部で起用しているのでクオリティに心配がありましたが、さすがのディズニー品質で残念な感じにはなっていません。ご安心を。
ゲームへの愛が詰まった今作はファミコン世代のオヤジたちにはもちろん、すべてのお父さんに見てほしい映画です!お父さんでなくとも年齢・性別に関係なく楽しめるのでぜひ!エンドロールではゲームネタがさく裂しているので最後まで席を立たないように!AKB48の曲も流れます。あの使われ方だとアメリカ本国でも使っているかもしれません。
同時上映の短編『紙ひこうき』はアカデミー短編アニメーション賞を受賞。3Dのモデリングを手書きでなぞる2Dと3Dの合成技術を駆使した今作もなかなかの出来。繊細な表情が表現できるこの新技術を使った長編を期待したいところ。
やっぱりディズニーはすごい!
ディズニーの映画が始まる前には『蒸気船ウィリー(1028年、ミッキーの初出作品)』でミッキーが舵をとっているロゴが入るのですが、ミッキーが8ビット風になっている時点でゲーマーたちは「おっ!」となるはず。そうです!この映画はゲーム、特に8ビット(ファミコンに代表される古いゲームはコンピュータが発達していなかったから8ビットでしか表現できなかったのです)の古き良き時代のものへのリスペクトの込められた映画なのです!
・あらすじ
舞台はゲームセンター。主人公は80年代初頭から30年も現役の「Fix-It Felix」の悪役ラルフ。彼は長年悪役として皆からのけ者にされているのが不満で、一度でいいからヒーローになりたいと願ってきた。皆に認められたい一心のラルフはヒーローのメダルを得るために最新のシューティングゲームの世界に忍び込む。なんとかメダルを手に入れたものの、敵キャラのサイ・バグに襲われて大騒動。サイ・バグもろともレーシングゲーム「シュガー・ラッシュ」の世界に迷い込んだラルフは小生意気な少女ヴァネロペに出会う。劣等のレッテルを張られているヴァネロペは皆からのけ者され、レースにできないでいた。ヴァネロペにメダルを奪われてしまったラルフはメダルを取り戻すためにヴァネロペのレース参加に協力することになる。はじめは渋々協力していたが、次第に友情を深めていくラルフ。だが、「シュガー・ラッシュの王様、キャンディ大王から聞かされたヴァネロペの秘密はゲームの世界に危機をもたらすと判明して・・・
ディズニー映画がヒットを続ける理由の一つに親世代へのアピールがあります。これは現在は子会社となったピクサー・アニメーション・スタジオの特徴でもありますが、子供と一緒に見に来る親世代に訴えかける作品を作ることで、親たちが良い作品と思うから、またディズニー映画を見に来るというサイクルを作っているわけです。わかりやすい例を挙げると、『トイ・ストーリー3』は親の子離れ・子の親離れをテーマとしています。大学生になっておもちゃ離れをしようとするのは子供が親の元を離れるのと重なるわけですね。
もちろん、今作も親世代にウケるつくりとなっています。ラルフというキャラクターが人生がうまくいかなくて悶々としているオジサンの象徴となっているのです。ラルフが寝ているのはゴミの山の中で、参加する悪役たちの会は『ファイトクラブ』に出てくるような依存症の会やガン患者の会にそっくりです。さらには飲み屋に行ったりもするので、完璧にオジサン。皆からのけ者にされているのは「いい年こいて悪役みたいなダメな仕事していて人生の負け組だな」ということです。しかもゲームセンターは家庭用ゲームの普及で不況続き。職を失ったキャラクターも登場します。
そんな「負け犬」ラルフが出会うのが、皆より劣っているという理由でのけ者にされているヴァネロペ。『シュガー・ラッシュ』はそんな社会的地位の低い二人が出会って反撃する物語なのです。この展開は『ガタカ』にも似ています。『ガタカ』はDNAの優位性で人生が決まってしまう世界で、優等な兄をもつ劣等な弟が草の根根性でのし上がる話でした。
映画で描かれるのは「負け犬たちの反撃」に加え、仕事への責任や誇り、自己犠牲の考えなど大人向けといってもいいくらいの深いテーマ。子供よりも大人たちの方が泣ける展開となっています(マジで)。
ゲームや映画のネタがちりばめてあるのが特徴の今作。エッグマンやザンギエフ、ソニック・ザ・ヘッジホッグなどの日本のゲームのキャラクターがそのまま登場しますし、Halo風のFPS(一人称視点シューティングゲーム)、DoomやTapperといった古いゲームのネタも登場。名前だけですが、トゥーム・レイダーのララ・クロフトも登場します。終盤のレースのシーンはマリオカートそっくりですね。
これが「Tapper」
映画のネタを挙げると、サイ・バグは『スターシップ・トゥルーパーズ(ディズニー映画)』のバグに似ていますし、産み付ける卵が広がる光景は『エイリアン』のよう。フェイスハガーみたいなのも出てきます。さらにはラルフがハルクのごとく緑色になって暴れる場面やダース・ヴェイダーの呼吸音も聞こえてきます。今やマーベルエンタテイメントとルーカスフィルムはディズニーの傘下なのでこのようなネタも使い放題。ディズニーはコンテンツ産業を牛耳る会社となってしまいました。すげぇわディズニー。
ちなみにヴァネロペやその他の女の子たちのデザインは原宿系ファッションからインスパイアされているとのこと。ゲームやファッション面での日本リスペクトがかなりされています。
日本では吹き替え版のみの上映、森三中やハリセンボンらの芸能人を一部で起用しているのでクオリティに心配がありましたが、さすがのディズニー品質で残念な感じにはなっていません。ご安心を。
ゲームへの愛が詰まった今作はファミコン世代のオヤジたちにはもちろん、すべてのお父さんに見てほしい映画です!お父さんでなくとも年齢・性別に関係なく楽しめるのでぜひ!エンドロールではゲームネタがさく裂しているので最後まで席を立たないように!AKB48の曲も流れます。あの使われ方だとアメリカ本国でも使っているかもしれません。
同時上映の短編『紙ひこうき』はアカデミー短編アニメーション賞を受賞。3Dのモデリングを手書きでなぞる2Dと3Dの合成技術を駆使した今作もなかなかの出来。繊細な表情が表現できるこの新技術を使った長編を期待したいところ。
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