今回紹介するのは台湾映画です。中国語はほとんど聞こえず、日本語とセデック語ばかり、日本人と台湾人ばかりが出演している珍しい映画です。今年度ベストテンには確実に入るであろう、強烈なアクション超大作となっております!
あらすじ
1895年の台湾。日清戦争で敗れた清は台湾を日本に明け渡すことになった。台湾には先住民のセデック族(日本語で言う高砂族)が住んでいたが、日本の統治が始まり、抵抗むなしく日本政府に組み込まれることとなった。
それから35年後、セデック族は日本政府の文明化によって、それまでの生活はできなくなっていた。不満が募る生活を送っていたところに、セデックと一集落と警官が衝突する事件が発生。後に引けなくなった集落は周辺の他の集落と連合を組んで、多くの日本人が集まる運動会を襲撃する作戦を決行。野蛮の誇りをかけた文明との戦いが始まる!
とにかく凄まじい映画でした。
まず上映時間が長い!二部に分かれているのですが、合わせて4時間半もあるのです!
そして、アクションがすごい!二部の終盤の突撃には興奮させられたし、一部のラストの運動会の襲撃は凄まじいバイオレンスに衝撃を受けました。
この映画は実際に起こった「霧社事件」をベースにしています。「社」は村のことで「霧社」は事件が起きた地域のこと。監督がアクション好きなのでアクション満載となっていますが、ほとんどが史実に基づいているとのことです。
セデック族について説明しておきましょう。
セデック族は高地にすむ狩猟民族で、武器は長いライフルや弓矢、槍、蛮刀といったところ。
敵対集落の首を刈ってくることで真の男(=セデック・バレ)となることができます。この真の男になることが彼らにとって非常に重要で、真の男となると顔に入れ墨を入れるのですが、この入れ墨がないと死後、虹の橋を渡って祖先の霊が住む家へと行き、理想の狩場で永遠に狩りをして暮らすことができないそうです。日本政府によって「野蛮なこと」として狩りは制限され、首狩りは禁止されました。そのため、若者たちには入れ墨がなく、虹の橋を渡ることができないのです。だからこそ「血の儀式」として日本人を狩るのです。確かに日本人に恨みがあるのですが、彼らにとって重要なのは真の男となって祖先の霊と対面することなのです。だから真の男となった後は死を恐れずに戦い、時に自害も辞しません。
日本軍との戦いを描いた映画を台湾が作るとなると、日本バッシングのプロパガンンダ映画になると思われるかもしれませんが、今作は政治的に偏ったものにはなっていません。「文明化」が良いことだと信じていた日本人は「野蛮な」セデックの文化を否定し、文明化を強制しました。理解を示そうとする日本人も登場するものの、多くは理解しようとも思っていませんでした。その結果、霧社事件は起こってしまいました。文化の摩擦が戦争の火種となることを理解できるとおもいます。
日本人キャストに実力派の安藤政信やキム兄こと木村祐一などが出演。主役のセデック族の集落の頭目モーナ・ルダオ役の林慶台(リン・チンタイ)は現地の牧師さんだそうですが、眼光の鋭さはプロの役者並みの迫力。ビビアン・スーも出演してます。
下手に美化することなく描き切っているので、バイオレンス描写はきつめ。首が飛ぶシーンが何回かあります。他にも痛々しい場面があるし、集団自殺する場面もあるので万人にはすすめられません。ですが、台湾の人もあまり知らない事件のことを理解できるし、異文化との交流の勉強にもなります。ハリウッドには作れない、本気のアクションを堪能したいのであれば必見レベルの傑作です!
あらすじ
1895年の台湾。日清戦争で敗れた清は台湾を日本に明け渡すことになった。台湾には先住民のセデック族(日本語で言う高砂族)が住んでいたが、日本の統治が始まり、抵抗むなしく日本政府に組み込まれることとなった。
それから35年後、セデック族は日本政府の文明化によって、それまでの生活はできなくなっていた。不満が募る生活を送っていたところに、セデックと一集落と警官が衝突する事件が発生。後に引けなくなった集落は周辺の他の集落と連合を組んで、多くの日本人が集まる運動会を襲撃する作戦を決行。野蛮の誇りをかけた文明との戦いが始まる!
とにかく凄まじい映画でした。
まず上映時間が長い!二部に分かれているのですが、合わせて4時間半もあるのです!
そして、アクションがすごい!二部の終盤の突撃には興奮させられたし、一部のラストの運動会の襲撃は凄まじいバイオレンスに衝撃を受けました。
この映画は実際に起こった「霧社事件」をベースにしています。「社」は村のことで「霧社」は事件が起きた地域のこと。監督がアクション好きなのでアクション満載となっていますが、ほとんどが史実に基づいているとのことです。
セデック族について説明しておきましょう。
セデック族は高地にすむ狩猟民族で、武器は長いライフルや弓矢、槍、蛮刀といったところ。
敵対集落の首を刈ってくることで真の男(=セデック・バレ)となることができます。この真の男になることが彼らにとって非常に重要で、真の男となると顔に入れ墨を入れるのですが、この入れ墨がないと死後、虹の橋を渡って祖先の霊が住む家へと行き、理想の狩場で永遠に狩りをして暮らすことができないそうです。日本政府によって「野蛮なこと」として狩りは制限され、首狩りは禁止されました。そのため、若者たちには入れ墨がなく、虹の橋を渡ることができないのです。だからこそ「血の儀式」として日本人を狩るのです。確かに日本人に恨みがあるのですが、彼らにとって重要なのは真の男となって祖先の霊と対面することなのです。だから真の男となった後は死を恐れずに戦い、時に自害も辞しません。
日本軍との戦いを描いた映画を台湾が作るとなると、日本バッシングのプロパガンンダ映画になると思われるかもしれませんが、今作は政治的に偏ったものにはなっていません。「文明化」が良いことだと信じていた日本人は「野蛮な」セデックの文化を否定し、文明化を強制しました。理解を示そうとする日本人も登場するものの、多くは理解しようとも思っていませんでした。その結果、霧社事件は起こってしまいました。文化の摩擦が戦争の火種となることを理解できるとおもいます。
日本人キャストに実力派の安藤政信やキム兄こと木村祐一などが出演。主役のセデック族の集落の頭目モーナ・ルダオ役の林慶台(リン・チンタイ)は現地の牧師さんだそうですが、眼光の鋭さはプロの役者並みの迫力。ビビアン・スーも出演してます。
下手に美化することなく描き切っているので、バイオレンス描写はきつめ。首が飛ぶシーンが何回かあります。他にも痛々しい場面があるし、集団自殺する場面もあるので万人にはすすめられません。ですが、台湾の人もあまり知らない事件のことを理解できるし、異文化との交流の勉強にもなります。ハリウッドには作れない、本気のアクションを堪能したいのであれば必見レベルの傑作です!
コメント