久々の更新です。紹介したくなるような映画がなかなか日本で公開されないのですよ・・・。更新をさぼりすぎるのも問題なので、今回は『華麗なるギャツビー』(2013年版)を紹介します。原作はアメリカ文学を代表するスコット・フィッツジェラルドによる1925年出版の傑作でして、これまでに5回も映像化されているほどにアメリカでは重要視されている小説です。村上春樹が自分で訳して出版してしまうほどにフィッツジェラルド、華麗なるギャツビーの大ファンなのは有名ですね。この際ですから、原作にも触れてみるのも良いと思います。
~あらすじ~
1920年代初頭のアメリカ、ニューヨークのロングアイランドが主な舞台。当時は1920年からの禁酒法により、密造酒が大量に出回り、法の目的とは裏腹に酒におぼれる時代となっていた。ロングアイランドの富豪連中の中でもジェイ・ギャツビーは夜毎大規模なパーティーを開催するほどの大富豪。若くしてその財を築いたギャツビーの過去を知る者はいない。物語はギャツビーの唯一の親友ニック・キャラウェイの回想によって進行する。ギャツビーが夜毎にパーティーを開く理由は一人の女性への愛からだった・・・
原題『The Great Gatsby』の映画は1926年の『或る男の一生』最初ですが、『華麗なるギャツビー』という邦題での最初の映画化は1974年にロバート・レッドフォード主演、ミア・ファローがギャツビー最愛の女性デイジー役で制作されました。後に2000年にはテレビ映画。そして、今回の再映画化。主演は「ディカプー」ことレオナルド・ディカプリオ。デイジー役には2011年の『SHAME』で全裸のシーンもありの思い切った演技を見せてくれたキャリー・マリガン。管理人ひいきの『ドライブ』にも出演するなど最近の活躍が目覚ましい女優さんです。一部でトリンドル玲奈に似ていると話題ですね。フィッツジェラルドの分身でもあるニック・キャラウェイにはサム・ライミ監督のスパイダーマン三部作のトビー・マグワイア。
監督はバズ・ラーマン。『ムーラン・ルージュ(2001)』や『ロミオ&ジュリエット(1996)』などで有名な監督です。ラーマン監督は過剰ともいえるレベルでのカメラワークの激しさやセット・衣装の豪華さが特徴で、今作も例外ではありません。ティファニーやプラダなどの高級ブランドが手掛けた衣装やジュエリーだけでも見ごたえがあるでしょうが、今作は3Dでも制作されているので、絢爛豪華な前半のパーティーシーンを体感することができるでしょう。しかもJAY-Zが手掛けたヒップホップの楽曲が多く使われていて、「狂乱」という言葉が的確なシーンとなっています。当時のダンス音楽といえばジャズでしたが、監督の意向で現代のダンス音楽を使うことで、観客が時代の空気を感じやすいようにしているとのことです。ちなみに、ラーマン監督はなかなかオシャレでかっこいいおじ様です(笑)
この映画は成り上がり男が一人の女に執着したことによる破滅を描いています。なので、後半は前半の派手さが消えてシリアスなムードとなっていきます。注目すべきは原作が物語を通して象徴していたものです。それはアメリカンドリームへの幻滅です。ギャツビーはアメリカ人の象徴であり、そのギャツビーが必死に求めるデイジーは手に入れようとしても手に入らず、手に入れたとしても空虚なもの(具体的には金や地位)の象徴です。これは1920年代のアメリカだけではなく、日本のバブル期にも通じるものと村上春樹が指摘している通り、現代の我々も共感できることです。そのことに気付いてみていると、必死になるギャツビーが可哀そうに見えてくることでしょう。
上記のことから破滅を描いているのに『The Great Gatsby』というタイトルなのはお分かりいただけたと思います。分からなかった方はもちろん、分かった方も確認する気持ちで見に行ってください。
~あらすじ~
1920年代初頭のアメリカ、ニューヨークのロングアイランドが主な舞台。当時は1920年からの禁酒法により、密造酒が大量に出回り、法の目的とは裏腹に酒におぼれる時代となっていた。ロングアイランドの富豪連中の中でもジェイ・ギャツビーは夜毎大規模なパーティーを開催するほどの大富豪。若くしてその財を築いたギャツビーの過去を知る者はいない。物語はギャツビーの唯一の親友ニック・キャラウェイの回想によって進行する。ギャツビーが夜毎にパーティーを開く理由は一人の女性への愛からだった・・・
原題『The Great Gatsby』の映画は1926年の『或る男の一生』最初ですが、『華麗なるギャツビー』という邦題での最初の映画化は1974年にロバート・レッドフォード主演、ミア・ファローがギャツビー最愛の女性デイジー役で制作されました。後に2000年にはテレビ映画。そして、今回の再映画化。主演は「ディカプー」ことレオナルド・ディカプリオ。デイジー役には2011年の『SHAME』で全裸のシーンもありの思い切った演技を見せてくれたキャリー・マリガン。管理人ひいきの『ドライブ』にも出演するなど最近の活躍が目覚ましい女優さんです。一部でトリンドル玲奈に似ていると話題ですね。フィッツジェラルドの分身でもあるニック・キャラウェイにはサム・ライミ監督のスパイダーマン三部作のトビー・マグワイア。
監督はバズ・ラーマン。『ムーラン・ルージュ(2001)』や『ロミオ&ジュリエット(1996)』などで有名な監督です。ラーマン監督は過剰ともいえるレベルでのカメラワークの激しさやセット・衣装の豪華さが特徴で、今作も例外ではありません。ティファニーやプラダなどの高級ブランドが手掛けた衣装やジュエリーだけでも見ごたえがあるでしょうが、今作は3Dでも制作されているので、絢爛豪華な前半のパーティーシーンを体感することができるでしょう。しかもJAY-Zが手掛けたヒップホップの楽曲が多く使われていて、「狂乱」という言葉が的確なシーンとなっています。当時のダンス音楽といえばジャズでしたが、監督の意向で現代のダンス音楽を使うことで、観客が時代の空気を感じやすいようにしているとのことです。ちなみに、ラーマン監督はなかなかオシャレでかっこいいおじ様です(笑)
この映画は成り上がり男が一人の女に執着したことによる破滅を描いています。なので、後半は前半の派手さが消えてシリアスなムードとなっていきます。注目すべきは原作が物語を通して象徴していたものです。それはアメリカンドリームへの幻滅です。ギャツビーはアメリカ人の象徴であり、そのギャツビーが必死に求めるデイジーは手に入れようとしても手に入らず、手に入れたとしても空虚なもの(具体的には金や地位)の象徴です。これは1920年代のアメリカだけではなく、日本のバブル期にも通じるものと村上春樹が指摘している通り、現代の我々も共感できることです。そのことに気付いてみていると、必死になるギャツビーが可哀そうに見えてくることでしょう。
上記のことから破滅を描いているのに『The Great Gatsby』というタイトルなのはお分かりいただけたと思います。分からなかった方はもちろん、分かった方も確認する気持ちで見に行ってください。
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