連続更新第三弾は園子音監督の『地獄でなぜ悪い』を紹介します!
ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門に出品され、トロント国際映画祭ではミッドナイト・マッドネス部門の最高賞である観客賞を受賞しました。審査員ではなく、観客が投票する賞なので娯楽映画としては一番名誉な賞かもしれません。
~あらすじ~
武藤組の組長、武藤大三(國村隼)は自分の留守中に家を襲撃してきた敵対する池上組のヒットマンを惨殺した罪で服役する妻(友近)の夢であった娘ミツコ(二階堂ふみ)の主演映画をつくる決意をする。とはいえ、知識も経験も全くなく妻の出所に間に合わせるには10日しか猶予がない。そこに、娘と駆け落ちした男が映画監督らしいことが判明。ヤクザの抗争を映画にして撮らせようとする。実際は恋人のフリをさせられた通りすがりの青年、橋本公次(星野源)はたまたま映画監督を目指す平田純(長谷川博己)と出会う。チャンスを待ち続けてきた平田は最高の一本を撮るために命を懸けて挑むことを決意するのだった。こうして出演者、スタッフのほとんどがヤクザという前代未聞の映画の撮影が始まる!
監督・脚本に加え、音楽までほとんど自分で作ってしまったのは園子温(本名です)!一年に二本というハイペースで撮りまくる監督は自主映画出身で、一般的に知られるようになったのは『自殺サークル』(2002年)あたりからでしょうか。それまでは「ぴあフィルムフェスティバル」の常連となったり「東京ガガガ」というパフォーマンス集団を主催したりしていましたが、映画監督で食っていけていなかったのでここ10年でやっと日の目を見たということだそうです。基本的にやっていることは変わっていないけど、イメージが固定化するのを嫌っての多作なんだそうです(なんと次回作『TOKYO TRIBE』を撮り終え、11月からはまた撮り始めるとのこと)。社会的な事件を元ネタにしつつも娯楽としての面白さを重視していくのが傾向としてあると思います。リハーサルに時間をかけ、役者の既存イメージを壊すような演技をさせることで有名です。『愛のむきだし』ではAAAのメインボーカル西島隆弘さんを主人公に起用して俳優じゃなくても演技はできるのだということを証明し、『冷たい熱帯魚』ではいいおじさん役ばかりだったでんでんさんに連続殺人鬼の役をやらせたりといった具合です。そのため監督の映画に出たがる俳優が後を絶たないんだそうです。
本作の脚本は17年前に書かれたものをほぼそのまま使っており、当時の経験を元にしています。劇中に登場する自主映画集団「ファック・ボンバーズ」は実際に監督が主催していたもので、公園で撮影中に子供にバカにされたのも実話です。しかもヤクザの組長の娘に手を出したとしてビルに連れ込まれたのも本当にあったことなんだそうです。公次ほど情けなくはなかったそうですが(笑)。平田は園監督の分身として描かれており、そのセリフは監督の思いそのものです。そこに今のフィルムからデジタルへと移行する映画製作の話とヤクザたちが機材集めであたふたする話を加えたのが今回のシナリオです。
映画自体は完全に娯楽に振り切っており、話の整合性やリアリティは完全に無視したむちゃくちゃな話となっております。とにかく登場人物は全員バカ(笑)後半の抗争シーンでは映画のためなら死ねるファック・ボンバーズは映画バカ。殺し合いをカメラの前繰り広げるヤクザもバカ。ついでに言うと警察もバカという素晴らしさ(爆)この状況で『仁義なき戦い』のテーマ曲を使ったり、『男たちの挽歌』のような銃撃戦や三隅研次監督の「子連れ狼シリーズ」的な腕や足が飛び、血糊が異常なまでに出る超絶スプラッターチャンバラが繰り広げられ、そこにブルース・リーまでが加わります!PG-12になったのが信じられないぐらいに血みどろですが、あまりのアホらしさに映倫の人もバカになっていたのでしょうww
俳優陣は今回も素晴らしく、テンション高すぎな長谷川さん、エロかっこいい二階堂さん、ガンアクションがかっこよすぎで白スーツも似合いすぎな國村さん、怪演が面白すぎな堤真一さん、ヘタレ演技がナイスな星野源さん、監督の妻の神楽坂恵さんやでんでんさん、お笑いの師匠、水道橋博士や映画秘宝のアートディレクターでサタニストの高橋ヨシキも出ていますよ!源さんはくも膜下出血と診断されて休業なさっていましたが、26日に無事復帰ができるようになったと発表されました。ミュージシャンでもある源さんは主題歌も歌っています。
タイトルの「地獄でなぜ悪い」の意味は地獄のような状況だった無名時代から開き直ったようにしてつけているかと思いきや、最後まで見れば単なる開き直りとは違った宣言なのだと思えるはず。何度も流れる劇中のCMソングも意味があるのでは思えてきます・・・
なんて細かいことを言うのはこの映画には野暮というもの。とにかく頭を空にしてポップコーンを食べたりコーラやビールを飲んだりしながら爆笑しまくればいい!細かい話はあとで考えればいい!全力歯ぎしりレッツ・ゴー!
予告編
おまけ 『星野 源 - 地獄でなぜ悪い 【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】』
ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門に出品され、トロント国際映画祭ではミッドナイト・マッドネス部門の最高賞である観客賞を受賞しました。審査員ではなく、観客が投票する賞なので娯楽映画としては一番名誉な賞かもしれません。
~あらすじ~
武藤組の組長、武藤大三(國村隼)は自分の留守中に家を襲撃してきた敵対する池上組のヒットマンを惨殺した罪で服役する妻(友近)の夢であった娘ミツコ(二階堂ふみ)の主演映画をつくる決意をする。とはいえ、知識も経験も全くなく妻の出所に間に合わせるには10日しか猶予がない。そこに、娘と駆け落ちした男が映画監督らしいことが判明。ヤクザの抗争を映画にして撮らせようとする。実際は恋人のフリをさせられた通りすがりの青年、橋本公次(星野源)はたまたま映画監督を目指す平田純(長谷川博己)と出会う。チャンスを待ち続けてきた平田は最高の一本を撮るために命を懸けて挑むことを決意するのだった。こうして出演者、スタッフのほとんどがヤクザという前代未聞の映画の撮影が始まる!
監督・脚本に加え、音楽までほとんど自分で作ってしまったのは園子温(本名です)!一年に二本というハイペースで撮りまくる監督は自主映画出身で、一般的に知られるようになったのは『自殺サークル』(2002年)あたりからでしょうか。それまでは「ぴあフィルムフェスティバル」の常連となったり「東京ガガガ」というパフォーマンス集団を主催したりしていましたが、映画監督で食っていけていなかったのでここ10年でやっと日の目を見たということだそうです。基本的にやっていることは変わっていないけど、イメージが固定化するのを嫌っての多作なんだそうです(なんと次回作『TOKYO TRIBE』を撮り終え、11月からはまた撮り始めるとのこと)。社会的な事件を元ネタにしつつも娯楽としての面白さを重視していくのが傾向としてあると思います。リハーサルに時間をかけ、役者の既存イメージを壊すような演技をさせることで有名です。『愛のむきだし』ではAAAのメインボーカル西島隆弘さんを主人公に起用して俳優じゃなくても演技はできるのだということを証明し、『冷たい熱帯魚』ではいいおじさん役ばかりだったでんでんさんに連続殺人鬼の役をやらせたりといった具合です。そのため監督の映画に出たがる俳優が後を絶たないんだそうです。
本作の脚本は17年前に書かれたものをほぼそのまま使っており、当時の経験を元にしています。劇中に登場する自主映画集団「ファック・ボンバーズ」は実際に監督が主催していたもので、公園で撮影中に子供にバカにされたのも実話です。しかもヤクザの組長の娘に手を出したとしてビルに連れ込まれたのも本当にあったことなんだそうです。公次ほど情けなくはなかったそうですが(笑)。平田は園監督の分身として描かれており、そのセリフは監督の思いそのものです。そこに今のフィルムからデジタルへと移行する映画製作の話とヤクザたちが機材集めであたふたする話を加えたのが今回のシナリオです。
映画自体は完全に娯楽に振り切っており、話の整合性やリアリティは完全に無視したむちゃくちゃな話となっております。とにかく登場人物は全員バカ(笑)後半の抗争シーンでは映画のためなら死ねるファック・ボンバーズは映画バカ。殺し合いをカメラの前繰り広げるヤクザもバカ。ついでに言うと警察もバカという素晴らしさ(爆)この状況で『仁義なき戦い』のテーマ曲を使ったり、『男たちの挽歌』のような銃撃戦や三隅研次監督の「子連れ狼シリーズ」的な腕や足が飛び、血糊が異常なまでに出る超絶スプラッターチャンバラが繰り広げられ、そこにブルース・リーまでが加わります!PG-12になったのが信じられないぐらいに血みどろですが、あまりのアホらしさに映倫の人もバカになっていたのでしょうww
俳優陣は今回も素晴らしく、テンション高すぎな長谷川さん、エロかっこいい二階堂さん、ガンアクションがかっこよすぎで白スーツも似合いすぎな國村さん、怪演が面白すぎな堤真一さん、ヘタレ演技がナイスな星野源さん、監督の妻の神楽坂恵さんやでんでんさん、お笑いの師匠、水道橋博士や映画秘宝のアートディレクターでサタニストの高橋ヨシキも出ていますよ!源さんはくも膜下出血と診断されて休業なさっていましたが、26日に無事復帰ができるようになったと発表されました。ミュージシャンでもある源さんは主題歌も歌っています。
タイトルの「地獄でなぜ悪い」の意味は地獄のような状況だった無名時代から開き直ったようにしてつけているかと思いきや、最後まで見れば単なる開き直りとは違った宣言なのだと思えるはず。何度も流れる劇中のCMソングも意味があるのでは思えてきます・・・
なんて細かいことを言うのはこの映画には野暮というもの。とにかく頭を空にしてポップコーンを食べたりコーラやビールを飲んだりしながら爆笑しまくればいい!細かい話はあとで考えればいい!全力歯ぎしりレッツ・ゴー!
予告編
おまけ 『星野 源 - 地獄でなぜ悪い 【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】』
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