雑多庵 ~映画バカの逆襲~

管理人イチオシの新作映画を紹介するブログです。SF、ホラー、アクション、コメディ、ゲーム、音楽に関する話が多め。ご意見・ご感想、紹介してほしい映画などあれば「Contact」からメッセージを送ってください。あと、いいお金儲けの話も募集中です。

今回紹介するのはマイケル・ベイ監督の新作であり、最高傑作だと思われる『Pain&Gain』の紹介です!
本国では初登場一位だったのに、日本ではDVDスルーの憂き目に・・・全然面白いから!

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今回は趣向を変えたあらすじ紹介をば

俺はダニエル。筋トレが生きがいだ。詐欺でやらかしちまってムショに入ったが、今はジムでトレーナーをやっている。少し前まではショボいジムだったが、今は俺のおかげで会員倍増さ。ジムは儲かるようになったが、俺自身はいまだに貧乏暮らしだ。このままじゃエロい女やカッコイイ車は手に入りっこねぇ。悶々としていた俺だが、あるときCMでやっている自己啓発セミナーに行ってみた。そこで先生は「やる男
(Do-er)」になることを教えてくれた。そうだ、俺はやる男だ!アメリカン・ドリームをかなえる権利は俺にだってあるんだ!だから、俺はいけ好かない金持ちの顧客を誘拐して全財産ふんだくることにした。どうせまともな商売じゃねぇ。もてあましているぐらいなら俺が善良なアメリカ人として使ってやるぜ!痛み(Pain)無くして得られるもの(Gain)はねぇってんだ!

まさかの実話
 この映画、あまりにバカバカしいので見ていて忘れそうになるのですが、実際に1990年代に起こった誘拐事件を基になっています。筋肉バカのトレーナーが同じくバカな同僚を仲間に引き入れて誘拐を実行し、なんと成功させてしまったのです。とはいえ、こんな無茶な計画がスムーズにいくわけはなく、誘拐がうまくいかないわ、拷問をしてもなかなか屈服しないわ、成功後も問題が連発するわで『オーシャンズ11』のようなエレガントな犯罪ものとは大違いなハチャメチャな展開。このハチャメチャ展開がかなり実話に忠実だというから驚きです。

マイケル・ベイの本領発揮!

 本作の監督は『アルマゲドン』『パール・ハーバー』『トランスフォーマーシリーズ』などのマイケル・ベイ。フィルモグラフィを見ればわかるとおり、知能指数低めの(褒めてます)大作を撮りまくっているあの人です。実写にこだわった爆破シーンはそのド派手さからメイヘム(mayhem、大混乱)ならぬベイヘム(bayhem)と呼ばれるほどに監督の持ち味となっています。そのド派手爆破ですが、今回はほとんどありません。本作が実話ベースということもありますが、それ以上に予算規模が普段の5分の1以下なのです。なんでも、本作はベイ監督が10年前から撮りたがっていたらしく、長くタイミングに恵まれていなかったところでようやく着手できたそうです。普段は大予算の企画を手掛けていますが、監督自身はずっと規模の小さい映画をやってみたかったそうで、彼が本当にやりたいことが本作なのだと言います。
 本当にやりたいことというだけあって、本作は冒頭のシーンから予算以上のパワーを感じさせる気合の入った場面の連続です。R指定の作品なので、普段のマイケル・ベイ作品では見られないようなバイオレンスを見ることができますぞ!しかも冷静に考えたら凶悪犯罪を犯している主人公たちを徹底的にバカ臭く描くことで、一級のブラック・コメディとなっているのです!マーク・ウォールバーグと”ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソン、『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』に出演しているアンソニー・マッキーといつもはクールな役の多いマッチョな3人がドタバタ劇を繰り広げるのは見ものです。短い撮影期間のわりにはカット数が多いのは監督の早撮りスキルによるものであり、実際の軍隊や警察が出てくるのはこれまで何度もマイアミを撮影に使っているからこそ。監督自身、マイアミに家があり、その自宅が本作に登場します!
 そういうわけで、本作はバイオレンス、コメディ、ミリタリー、ポリス、筋肉、自宅wとマイケル・ベイの本気汁にあふれた傑作となっているのです!こんな面白いのにDVDスルーなんて、どうなってるんだ!

アメリカン・ドリームとは?
 多くの人は登場人物たちのバカさに大笑いするでしょう。そして何がアメリカン・ドリームだとバカにすることでしょう。でも、考えてみてください。彼らは確かにバカではあっても一時の栄光を手に入れているのです。彼らはアメリカン・ドリームを盲信し、デカパイと燃費の悪い車を一心に求めることで成功をしているのです。この事実は侮れません。ネットでリア充()とかDQNとか言ってバカにするのは簡単ですが、彼らは”何か”をやって今を手に入れた人間なのです。アメリカン・ドリームという言葉が持っているパワーはこうした底知れぬものであり、本作を見るとベイ監督はそれを理解した上で「アメリカ的な」大作を作っているのではと思えてきます。そう考えると、ベイ監督の作品がおバカなのはとんでもないジョークなのだと納得(?)できます!
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